リン酸カルシウム系ペーストによるエナメル質の再石灰化促進作用
目的 : 本研究は, リン酸カルシウム系ペースト製剤を歯のエナメル質に応用し, 脱灰歯質の再石灰化効果について明らかにすることを目的とした. 脱灰エナメル質の結晶の観察とCa/P比の測定を行い, 1日3回リン酸カルシウム系ペーストを塗布し, 2週間継続後のエナメル質の結晶状態とCa/P比の測定を比較するとともに, エナメル質のアパタイトの結晶成長による再石灰化効果について検討した. 材料と方法 : 試料としてヒト抜去永久歯を用いた. エナメル質へのリン酸カルシウム系ペースト製剤由来の成分の分布, 移行状態とエナメル質結晶の変化について, 電子線プローブマイクロアナライザー (EPMA) およ...
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Veröffentlicht in: | 日本歯科保存学雑誌 2016, Vol.59(1), pp.58-64 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的 : 本研究は, リン酸カルシウム系ペースト製剤を歯のエナメル質に応用し, 脱灰歯質の再石灰化効果について明らかにすることを目的とした. 脱灰エナメル質の結晶の観察とCa/P比の測定を行い, 1日3回リン酸カルシウム系ペーストを塗布し, 2週間継続後のエナメル質の結晶状態とCa/P比の測定を比較するとともに, エナメル質のアパタイトの結晶成長による再石灰化効果について検討した. 材料と方法 : 試料としてヒト抜去永久歯を用いた. エナメル質へのリン酸カルシウム系ペースト製剤由来の成分の分布, 移行状態とエナメル質結晶の変化について, 電子線プローブマイクロアナライザー (EPMA) および透過型電子顕微鏡 (TEM) で観察を行った. エナメル質に開窓面を作製し, 50mmol/l酢酸で3日間脱灰後, 試験面に1日3回, 2週間連続してリン酸カルシウム系ペースト製剤を塗布した. その後, 試験片をエポキシ樹脂で包埋し, EPMAおよびTEMにより観察を行った. 結果 : 脱灰処理後のエナメル質のCa/P比は1.38~1.42で, 塗布後2週間では1.57~1.65に変化した. また, 脱灰領域の結晶と塗布後の結晶では, 明らかなアパタイトの結晶成長も認められ, エナメル質の再石灰化が確認された. 結論 : 本実験の結果から, APペースト含有成分であるTTCP, DCPAに由来するCaおよびPイオンは, エナメル質に浸透して, 既存のアパタイト結晶の成長を促進することが明らかとなり, リン酸カルシウム系ペーストによるエナメル質への応用の有用性が示唆された. |
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ISSN: | 0387-2343 2188-0808 |
DOI: | 10.11471/shikahozon.59.58 |