Ni-Tiロータリーファイルによる歯根破折発生防止に関する研究: シングルファイルシステム根管形成時の象牙質亀裂解析

目的: 本研究はNi-Tiロータリーファイルによる根管形成で発生するマイクロクラックについて, 往復運動切削によるシングルファイル (WaveOne, Reciproc) と回転切削するマルチファイル (ProTaper) を比較検討することを目的とした.  材料と方法: 本研究は2根管2根尖孔形態の上顎小臼歯を選択し使用した. 実験は4群 (未形成群, ProTaper群, WaveOne群, Reciproc群) に分類し, 各群10歯20根管を供試した. 歯根破折の観察は根尖孔から1, 3, 5mmを水平切断し横断面を顕微鏡で観察した. 観察された歯根破折は統計処理を行い, 危険率5%で...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2014, Vol.57(4), pp.352-357
Hauptverfasser: 青栁, 佳伸, 武藤, 徳子, 石井, 信之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的: 本研究はNi-Tiロータリーファイルによる根管形成で発生するマイクロクラックについて, 往復運動切削によるシングルファイル (WaveOne, Reciproc) と回転切削するマルチファイル (ProTaper) を比較検討することを目的とした.  材料と方法: 本研究は2根管2根尖孔形態の上顎小臼歯を選択し使用した. 実験は4群 (未形成群, ProTaper群, WaveOne群, Reciproc群) に分類し, 各群10歯20根管を供試した. 歯根破折の観察は根尖孔から1, 3, 5mmを水平切断し横断面を顕微鏡で観察した. 観察された歯根破折は統計処理を行い, 危険率5%で有意差検定を行った.  結果: 未形成根管は歯根破折の発生は認められなかった. Ni-Tiロータリーファイルはシングルファイル (WaveOne, Reciproc) 群, およびマルチファイル (ProTaper) 群による発生頻度に有意差は認められなかった. しかしながら, 破折線の総数は根尖側3mmと5mmの位置が根尖側1mmの位置よりも増加していた.  結論: 本研究において, Ni-Tiロータリーファイルによる根管形成時の歯根破折は, 往復運動による切削および回転切削のファイルシステムによる有意差は認められなかったが, いずれのシステムにおいても根尖から1~5mmに歯根破折が認められた.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.57.352