Er : YAGレーザーを用いた抜髄法に関する基礎的研究
目的 : この研究では, 抜髄法へのEr : YAGレーザー応用の効果を検証することを目的とした. 材料と方法 : ヒトの根尖が完成した単根下顎小臼歯を用いた. 試料の歯冠を除去し, ♯15のK-ファイルを根管内に挿入し, 根尖孔からファイル先端が見える長さから-2mmを作業長に設定した. Er : YAGレーザー用の円錐型の石英ファイバーチップを作業長の位置に挿入し, 最初の静止照射は10秒間, 30mJ, 20ppsでエア・水ありの条件で行った (ステップ1). 次に, 引き上げながら4回のレーザー照射を行った (ステップ2). 最後に, NaOCl溶液を根管内に容れて引き上げながら4回...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本歯科保存学雑誌 2014, Vol.57(3), pp.260-267 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 目的 : この研究では, 抜髄法へのEr : YAGレーザー応用の効果を検証することを目的とした. 材料と方法 : ヒトの根尖が完成した単根下顎小臼歯を用いた. 試料の歯冠を除去し, ♯15のK-ファイルを根管内に挿入し, 根尖孔からファイル先端が見える長さから-2mmを作業長に設定した. Er : YAGレーザー用の円錐型の石英ファイバーチップを作業長の位置に挿入し, 最初の静止照射は10秒間, 30mJ, 20ppsでエア・水ありの条件で行った (ステップ1). 次に, 引き上げながら4回のレーザー照射を行った (ステップ2). 最後に, NaOCl溶液を根管内に容れて引き上げながら4回のレーザー洗浄を行った (ステップ3). 各ステップ後に根管壁面の超微構造を走査型電子顕微鏡で観察した. さらに, レーザー照射中の歯根表面の温度変化を赤外線サーモグラフィを用いて解析した. 成績 : ステップ1後の試料は, アピカルストップ様の拡大された根管を示した. ステップ2では, 蒸散された領域と蒸散されない領域がみられた. ステップ3後の試料は, 根管の全体にわたって開口した象牙細管をもつ石灰化球様の構造を示した. 歯根表面の温度変化は, 10秒間の静止照射では約2.5℃の上昇を示した. この温度は, 歯周組織の構造的な傷害や解剖学的変化を起こさないと考えられる. 結論 : 以上の結果は, 細い円錐型チップを装着したEr : YAGレーザーによる抜髄操作の可能性を示唆している. |
---|---|
ISSN: | 0387-2343 2188-0808 |
DOI: | 10.11471/shikahozon.57.260 |