歯面処理後の血液汚染時間が4-META/MMA-TBBレジンと象牙質との接着に及ぼす影響
目的:著者らはこれまでに,4-META/MMA-TBBレジンと象牙質との接着に及ぼす血液汚染の影響について,10%クエン酸3%塩化第二鉄溶液による歯面処理後に血液汚染があった場合は,水洗だけでは接着性が著しく低下するため,再度歯面処理を行うことが必要であることを報告した.血液が接着性を低下させた理由として凝固反応が考えられ,血液の凝固には時間が大きく影響することから,本研究では歯面処理後の血液による汚染時間が封鎖性と接着強さに及ぼす影響について検討を行った.材料と方法:ウシ歯根象牙質を10%クエン酸3%塩化第二鉄溶液で5秒間歯面処理し,新鮮ヒト血液を塗布,2,5,15秒後にスリーウェイシリンジ...
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Veröffentlicht in: | 日本歯科保存学雑誌 2013/10/31, Vol.56(5), pp.407-414 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:著者らはこれまでに,4-META/MMA-TBBレジンと象牙質との接着に及ぼす血液汚染の影響について,10%クエン酸3%塩化第二鉄溶液による歯面処理後に血液汚染があった場合は,水洗だけでは接着性が著しく低下するため,再度歯面処理を行うことが必要であることを報告した.血液が接着性を低下させた理由として凝固反応が考えられ,血液の凝固には時間が大きく影響することから,本研究では歯面処理後の血液による汚染時間が封鎖性と接着強さに及ぼす影響について検討を行った.材料と方法:ウシ歯根象牙質を10%クエン酸3%塩化第二鉄溶液で5秒間歯面処理し,新鮮ヒト血液を塗布,2,5,15秒後にスリーウェイシリンジで15秒間水洗,または水洗後に10%クエン酸3%塩化第二鉄溶液による5秒間の再度の歯面処理,水洗を行った.乾燥後,4-META/MMA-TBBレジンを混和法で接着し,色素侵入試験と微小引張り試験を行うとともに,走査電子顕微鏡にて接着前の被着面と,微小引張り試験後の破断面の観察を行った.成績:血液汚染時間が長くなるに従って,水洗だけでは色素侵入距離は有意に大きくなり,微小引張り強さは有意に低下した.これは血液の凝固反応が進行したことにより,水洗だけでは血液成分が十分に除去できなかったためと考えられた.一方,再度歯面処理を行うと,血液汚染時間にかかわらず,色素侵入距離と微小引張り強さは血液汚染のない場合と有意差がなかった.これは,歯面処理材中のクエン酸により血液成分が効果的に除去されたためと考えられた.結論:4-META/MMA-TBBレジンを象牙質に使用する際には,被着面が歯面処理後に血液で汚染された場合,汚染が短時間であっても水洗後に再度歯面処理を行うことが有効であった. |
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ISSN: | 0387-2343 2188-0808 |
DOI: | 10.11471/shikahozon.56.407 |