松本歯科大学病院来院患者の歯科疾患実態調査 : パノラマエックス線写真による現在歯数についての検討

われわれはパノラマエックス線写真を用いて,高齢者の現在歯数と歯種別の現在歯率に関する調査を行った.対象は,2007年8月から2010年12月までの間に松本歯科大学病院を受診し,歯科治療のためにパノラマエックス線撮影を施行した60歳以上の患者で,本研究に承諾の得られた821名(男性:378名,女性:443名)を被験者として検討した.20歯以上の現在歯数を保有する割合は,60〜64歳で83.2%,65〜69歳で72.9%,70〜74歳で56.3%,75〜79歳で39.6%,80〜84歳で40.4%,および85歳以上で25.9%と,全国の歯科疾患実態調査と比較して,どの年齢層においても高かった.歯種...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2012/02/29, Vol.55(1), pp.46-52
Hauptverfasser: 山田, 真一郎, 内田, 啓一, 田口, 明, 三木, 学, 吉成, 伸夫, 窪川, 恵太, 西田, 英作
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:われわれはパノラマエックス線写真を用いて,高齢者の現在歯数と歯種別の現在歯率に関する調査を行った.対象は,2007年8月から2010年12月までの間に松本歯科大学病院を受診し,歯科治療のためにパノラマエックス線撮影を施行した60歳以上の患者で,本研究に承諾の得られた821名(男性:378名,女性:443名)を被験者として検討した.20歯以上の現在歯数を保有する割合は,60〜64歳で83.2%,65〜69歳で72.9%,70〜74歳で56.3%,75〜79歳で39.6%,80〜84歳で40.4%,および85歳以上で25.9%と,全国の歯科疾患実態調査と比較して,どの年齢層においても高かった.歯種別での比較では,前歯の現在歯率が高く,なかでも下顎犬歯が91.1%で全歯種中最も高く,次いで下顎側切歯で85.4%であった.逆に,大臼歯では下顎第二大臼歯が52.4%と最も低く,次いで,下顎第一大臼歯で53.0%であった.長野県の地域歯科保健活動や患者の口腔衛生意識の向上により,松本歯科大学病院を受診した高齢者の現在歯数の比率は,全国調査と比較すると高い傾向を示していた.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.55.46