ナノフィラーを応用したコンポジットレジンのwear挙動

光重合型コンポジットレジン(以後,光重合コンポジット)のwear挙動は,その発現機序が複雑であるところからいまだに十分に解明されたとはいいがたく,詳細な検討が必要と考えられる.特に,光重合コンポジットは,その耐摩耗性の向上を図るためにフィラー含有量,形状,粒径,粒度分布あるいは表面処理法に改良が加えられている.最近では,ナノサイズのフィラーを含有する光重合コンポジットも市販されているが,そのwear挙動に関しては不明な点が多い.そこで著者らは,ナノフィラーを応用した光重合コンポジットのwear挙動について,日常のブラッシングあるいは咬合接触をシミュレートした歯ブラシ摩耗および衝突摩耗試験を行う...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2011/04/30, Vol.54(2), pp.121-130
Hauptverfasser: 森, 健太郎, 高見澤, 俊樹, 大塚, 詠一朗, 遠藤, 肇, 前田, 徹, 山路, 歩, 小倉, 由佳理, 坪田, 圭司, 宮崎, 真至
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:光重合型コンポジットレジン(以後,光重合コンポジット)のwear挙動は,その発現機序が複雑であるところからいまだに十分に解明されたとはいいがたく,詳細な検討が必要と考えられる.特に,光重合コンポジットは,その耐摩耗性の向上を図るためにフィラー含有量,形状,粒径,粒度分布あるいは表面処理法に改良が加えられている.最近では,ナノサイズのフィラーを含有する光重合コンポジットも市販されているが,そのwear挙動に関しては不明な点が多い.そこで著者らは,ナノフィラーを応用した光重合コンポジットのwear挙動について,日常のブラッシングあるいは咬合接触をシミュレートした歯ブラシ摩耗および衝突摩耗試験を行うことによって検討した.その結果,摩耗量はいずれの試験法においても,不定形フィラーを含有するナノハイブリッドコンポジットで少なくなる傾向を示した.一方,試片の表面性状の変化は,試験法および含有されているフィラー形状によって異なるものであった.本実験の結果から,ナノフィラーを応用した光重合コンポジットのwear挙動は製品によって異なるため,材料選択に際しては含有フィラーの特性を十分勘案したうえでの使用が望まれることが示唆された.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.54.121