歯肉縁下の歯周治療におけるEr:YAGレーザーとファイバースコープ併用の有用性に関する基礎的研究
今日,医科領域では臨床診断や治療に対し,ファイバースコープ(FS)内視鏡システムが広く応用されている.しかしながら,歯科領域においては,いまだ普及されていない.歯肉縁下の硬組織・軟組織をリアルタイムで直視することは,より効率的な歯周治療を可能にする.そこでわれわれは,1996年から歯科,特に歯内・歯周領域に使用するためにFS内視鏡システムを開発してきた.また,Er:YAGレーザーは,多くの研究により歯肉縁下歯石や感染セメント質に対する卓越した除去能が報告されている.本研究の目的は,歯肉縁下の歯周治療におけるEr:YAGレーザーとFS併用の有用性を評価することである.人工歯にマニキュアを塗布した...
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Veröffentlicht in: | 日本歯科保存学雑誌 2010/12/31, Vol.53(6), pp.562-569 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今日,医科領域では臨床診断や治療に対し,ファイバースコープ(FS)内視鏡システムが広く応用されている.しかしながら,歯科領域においては,いまだ普及されていない.歯肉縁下の硬組織・軟組織をリアルタイムで直視することは,より効率的な歯周治療を可能にする.そこでわれわれは,1996年から歯科,特に歯内・歯周領域に使用するためにFS内視鏡システムを開発してきた.また,Er:YAGレーザーは,多くの研究により歯肉縁下歯石や感染セメント質に対する卓越した除去能が報告されている.本研究の目的は,歯肉縁下の歯周治療におけるEr:YAGレーザーとFS併用の有用性を評価することである.人工歯にマニキュアを塗布したオリジナル顎模型をファントームに装着し,実験に用いた.上顎右側側切歯(#12)口蓋側,上顎右側第一小臼歯(#14)近心面,下顎右側第一大臼歯(#46)根分岐部にマニキュアを塗布,標的とし被験人工歯とした.レーザー装置は,Er:YAGレーザーでコンタクトチップを用いた.コンタクトチップとしてFS未使用群では,C400F(φ400μm)を,FS使用群では,E200FL(φ200μm)を用いた.用いたFSシステム(画素数6,000pixels,外径1.1mm)は,レーザー用チャンネル,水流用チャンネルおよびライトガイドを有する.術者は,FS・Er:YAGレーザー使用経験者である5名とした.はじめに,被験人工歯に対してEr:YAGレーザーのみの照射を行った(FS未使用群).FS未使用群で処置された歯を新しい人工歯に交換後,FS観察下でレーザー照射を行った(FS使用群).レーザーは,それぞれの被験人工歯に対して80mJ,10pps,注水下で1分間照射した.そして,それぞれのマニキュア残存率を解析するために歯根表面を観察した.それぞれのマニキュア残存率の平均(FS未使用群:FS使用群)を以下に示す.#12口蓋側面(82.48±13.57%:23.08±4.15%),#14近心面(79.74±11.60%:19.05±8.08%),#46根分岐部(80.16±8.12%:22.39±3.31%)であった.FS使用群は未使用群より有意にマニキュア残存率が低かった(Mann-Whitney U test:p |
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ISSN: | 0387-2343 2188-0808 |
DOI: | 10.11471/shikahozon.53.562 |