光重合型レジンの衝突摩耗性に関する基礎的研究

審美性および耐久性に優れた修復処置を確立する基礎的研究として,市販の光重合型コンポジットレジン9製品の衝突摩耗性について検討した.テフロン型にレジンペーストを填塞し,透明マトリクスを介して60秒間照射し,重合硬化させた.次いで,SiCペーパーの#2,000を用いて,照射面から0.5mm削除し,これを衝突摩耗用試片とした.実験条件としては,衝突摩耗試験機に装着したステンレス製ジグを用いて,落下距離5mm,水平的往復距離2mmおよび荷重5kgfの条件で衝突摩耗を行い,1回落下と1回水平往復を1サイクルとして50,000サイクル繰り返した.試験終了後の試片について,レーザー顕微鏡を用いて最大摩耗深さ...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2010/04/30, Vol.53(2), pp.115-122
Hauptverfasser: 黒川, 弘康, 天野, 紫乃, 瀧本, 正行, 村山, 良介, 浅野, 和正, 宮崎, 真至, 松崎, 辰男, 市石, 芳博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:審美性および耐久性に優れた修復処置を確立する基礎的研究として,市販の光重合型コンポジットレジン9製品の衝突摩耗性について検討した.テフロン型にレジンペーストを填塞し,透明マトリクスを介して60秒間照射し,重合硬化させた.次いで,SiCペーパーの#2,000を用いて,照射面から0.5mm削除し,これを衝突摩耗用試片とした.実験条件としては,衝突摩耗試験機に装着したステンレス製ジグを用いて,落下距離5mm,水平的往復距離2mmおよび荷重5kgfの条件で衝突摩耗を行い,1回落下と1回水平往復を1サイクルとして50,000サイクル繰り返した.試験終了後の試片について,レーザー顕微鏡を用いて最大摩耗深さを測定し,これを摩耗量とするとともに,SEM観察を行った.その結果,以下の結論を得た.1.供試した光重合型コンポジットレジンでの衝突摩耗試験後の摩耗量は,83.9〜111.4μmと,製品によって異なるものであった.また,臼歯部用光重合型コンポジットレジンの摩耗量は,79.2μmおよび109.0μmであり,有意差が認められた.2.衝突摩耗試験後の光重合型コンポジットレジンのSEM観察からは,製品によって異なった表面性状を呈していたところから,摩耗量の違いを裏付けるものであった.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.53.115