ラット根尖病変創傷治癒に及ぼすEmdogain® gelの効果の解明

本研究の目的は,破壊された根尖部歯周組織の創傷治癒に及ぼすEmdogain® gelの効果について解析することである.ラット下顎第一臼歯の髄腔を電気エンジンにて開拡し,遠心根管のみ#25K型ファイルにてファイリングすることによって,実験的にラット根尖病変が惹起された.そして7日間,開放のまま放置した.その後,遠心根管を機械的に清掃後,ラットを2群に分けた.一方はEMD処置群として,他方は対照としてEMDの担体であるPropylene glycol alginate処置群とした.その後,7,14,28日目にそれぞれ標本を採取し,免疫組織学的に検討した.その結果,EMD群では術後7日目に,TGF-...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2009/12/31, Vol.52(6), pp.493-504
Hauptverfasser: 松本, 典祥, 茂山, 千英子, 泉, 利雄, 阿南, 壽
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は,破壊された根尖部歯周組織の創傷治癒に及ぼすEmdogain® gelの効果について解析することである.ラット下顎第一臼歯の髄腔を電気エンジンにて開拡し,遠心根管のみ#25K型ファイルにてファイリングすることによって,実験的にラット根尖病変が惹起された.そして7日間,開放のまま放置した.その後,遠心根管を機械的に清掃後,ラットを2群に分けた.一方はEMD処置群として,他方は対照としてEMDの担体であるPropylene glycol alginate処置群とした.その後,7,14,28日目にそれぞれ標本を採取し,免疫組織学的に検討した.その結果,EMD群では術後7日目に,TGF-β1またはBMP-2陽性を示すマクロファージの急激な増加が観察され,術後14日目にはセメント質および骨組織の著しい形成が認められた.一方,PGA群では実験期間を通じてTGF-β1またはBMP-2が陽性のマクロファージは少数であり,根尖病変周辺の歯周組織の回復はほとんど認められなかった.これらのことから,EMDの応用により誘導された根尖病変部の治癒においては,TGF-β1やBMP-2が陽性の修復性マクロファージが重要な役割を果たしている可能性が示唆された.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.52.493