圧搾空気の汚染がワンステップ接着システムの歯質接着性に及ぼす影響

スリーウェイシリンジからの圧搾空気中には,微量な水分等の汚染物質が含まれており,そのエアーを用いて歯面を乾燥させると,汚染物質が被着面に残留する可能性が考えられる.そこで,アドヒーシブに対するエアブローがワンステップ接着システムの歯質接着性に及ぼす影響を知ることを目的として,エアブローを診療用ユニット付属のスリーウェイシリンジあるいはCO2スプレーで行うという条件について比較,検討した.供試したワンステップ接着システムは,Bond Force(トクヤマデンタル),G-Bond(ジーシー)およびClearfil tri-S Bond(クラレメディカル)の3製品であり,光重合型レジンとしてはCle...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2009/06/30, Vol.52(3), pp.229-236
Hauptverfasser: 砂田, 識敦, 黒川, 弘康, 田村, ゆきえ, 田久保, 周子, 古賀, 賢策, 藤井, 雄介, 宮崎, 真至, 近藤, 貢
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:スリーウェイシリンジからの圧搾空気中には,微量な水分等の汚染物質が含まれており,そのエアーを用いて歯面を乾燥させると,汚染物質が被着面に残留する可能性が考えられる.そこで,アドヒーシブに対するエアブローがワンステップ接着システムの歯質接着性に及ぼす影響を知ることを目的として,エアブローを診療用ユニット付属のスリーウェイシリンジあるいはCO2スプレーで行うという条件について比較,検討した.供試したワンステップ接着システムは,Bond Force(トクヤマデンタル),G-Bond(ジーシー)およびClearfil tri-S Bond(クラレメディカル)の3製品であり,光重合型レジンとしてはClearfil AP-X(クラレメディカル)を使用した.接着試験にはウシ下顎前歯を使用し,その歯冠部エナメル質あるいは象牙質をSiCペーパー#600まで順次研削し,平坦面を露出させた.この面に,それぞれの製造者指示に従ってアドヒーシブを塗布し,スリーウェイシリンジを用いて(以後,シリンジ群),あるいはCO2スプレーを用いて(以後,CO2群)エアブローを行い,光照射した.次いで,円筒形テフロン型を置き,これにレジンペーストを填塞,ポリストリップスを介して照射を行って接着試片とした.これらの試片は37℃の精製水中に24時間保管した後,万能試験機を用いて剪断接着強さを測定した.また,接着試験後の各接着システムの破断面について,通法に従ってSEM観察を行った.その結果,以下の結論を得た. 1.エナメル質接着強さは,G-Bondにおいてシリンジ群に比較してCO2群で有意に高い値を示した.一方,Bond ForceおよびClearfil tri-S Bondでは,エアブロー条件の影響は認められなかった. 2.象牙質接着強さは,Bond ForceおよびG-Bondにおいてシリンジ群に比較してCO2群で有意に高い値を示した.一方,Clearfil tri-S Bondでは,エアブロー条件の影響は認められなかった. 3.接着試験後の破断面のSEM観察からは,被着体の違いにかかわらず,いずれの製品においてもシリンジ群と比較してCO2群で歯質とアドヒーシブの混合破壊像が多く観察された.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.52.229