円錐型チップを装着したEr:YAGレーザーの根管内スミヤー層除去効果

この研究の目的は,円錐型チップ(内径300μm)を装着したEr:YAGレーザーを,抜去したヒトの歯およびウシの象牙質片に照射した際の影響を調べることである.Kファイルを用いて機械的に拡大したヒトの歯に,エアーおよび注水で,30mJまたは40mJの表示エネルギー値で照射した.その後,試料を長軸方向に切断し,走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した.SEMの観察結果は,スミヤ一層の除去と象牙細管の開口を伴うクレーターの形成を示したが,溶解,亀裂,炭化などの所見はみられなかった.レーザーによって開口した象牙細管の大きさは,EDTAを用いた化学的洗浄時に比べて小さかった.さらに,チップと象牙質片の間に隙間...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2008/04/30, Vol.51(2), pp.156-162
Hauptverfasser: 吉嶺, 嘉人, 松本, 妃可, 西垣, 奏一郎, 小野, 真紀子, 後藤, 千里, 磯辺, 量子, 赤峰, 昭文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:この研究の目的は,円錐型チップ(内径300μm)を装着したEr:YAGレーザーを,抜去したヒトの歯およびウシの象牙質片に照射した際の影響を調べることである.Kファイルを用いて機械的に拡大したヒトの歯に,エアーおよび注水で,30mJまたは40mJの表示エネルギー値で照射した.その後,試料を長軸方向に切断し,走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した.SEMの観察結果は,スミヤ一層の除去と象牙細管の開口を伴うクレーターの形成を示したが,溶解,亀裂,炭化などの所見はみられなかった.レーザーによって開口した象牙細管の大きさは,EDTAを用いた化学的洗浄時に比べて小さかった.さらに,チップと象牙質片の間に隙間ゲージ(50,100,150μm)を介在させて象牙質表面にEr:YAGレーザーを照射した.レーザー顕微鏡による解析で,チップと根管壁との間の距離がEr:YAGレーザーの蒸散効果に大きく影響することが明らかとなった.以上の結果は,円錐型チップとEr:YAGレーザーの併用は,根管内のスミヤ一層を除去するのに適した器材であることを示している.さらに,根管の根尖側1/3では,根管壁を効率的に清掃するために,拡大された根管のサイズに適合したチップを用いることが必要であることが示唆された.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.51.156