Er,Cr:YSGG Laser Systemの根管内照射

根管形成後に続く根管洗浄は,根管充填を成功させるための大切な要因の一つである.通常の診療においては,薬剤や超音波による根管洗浄が行われている.本研究では,周波数と出力がコントロール可能な,En,Cr:YSGG laser systemを使用して,根管壁の最終仕上げを行った.最初に,根管形成後の根管内壁面に照射条件の異なったレーザー照射を行い,その根管壁の状態をSEIにより観察した.また,レーザー照射後,根管充填を行った根管壁と根管充填材の界面のSEI観察を行った.最後に,根尖部の根管充填材の封鎖性を確認するため,色素浸透試験を行った.これらの実験結果によって以下の結論を得た.1. レーザーを照...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2007/04/30, Vol.50(2), pp.213-224
Hauptverfasser: 小谷, 依子, 松見, 秀之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:根管形成後に続く根管洗浄は,根管充填を成功させるための大切な要因の一つである.通常の診療においては,薬剤や超音波による根管洗浄が行われている.本研究では,周波数と出力がコントロール可能な,En,Cr:YSGG laser systemを使用して,根管壁の最終仕上げを行った.最初に,根管形成後の根管内壁面に照射条件の異なったレーザー照射を行い,その根管壁の状態をSEIにより観察した.また,レーザー照射後,根管充填を行った根管壁と根管充填材の界面のSEI観察を行った.最後に,根尖部の根管充填材の封鎖性を確認するため,色素浸透試験を行った.これらの実験結果によって以下の結論を得た.1. レーザーを照射した根管内壁面のSEI観察において,レーザーの周波数が高く,出力が小さいほど,根管壁面は滑沢であった.また,すべての照射条件において,スミヤー層が観察できず,象牙細管の開口が観察できた.2. 根管内内壁と根管充填材との界面のSEI観察により,CL群(Canals-N+ガッタパーチャポイント:側方加圧充填法),WV群(Obturation-gutta NT:Warm gutta-percha法)で高い壁着性を示した.SS群(Super-Bondsealer+ガッタパーチャポイント:単一ポイント充填法)では,壁着性は悪くはなかったが,根管壁と根管充填材の界面に部分的に間隙を認めた.3. 根尖から1.5mmのところでは色素浸透は確認できなかった.Er,Cr:YSGG laser systemを根管形成後の最終仕上げとして用いる場合には,根管充填法の違いを考慮し,照射条件を変えることが必要と考えられる.以上より,臨床応用に際し,有用性があることが示唆された.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.50.213