非外科的歯周治療が2型糖尿病患者の代謝調節に及ぼす影響 : 第2報:炎症のメディエーターの変化について
「緒言」近年, 糖尿病と歯周疾患との関係が研究され, 糖尿病は歯周疾患の重要なリスクファクターとみなされている1,2). 糖尿病はその成因から主に, 1型糖尿病(インシュリン依存性)と2型糖尿病(インシュリン非依存性)に分けられる. 1型糖尿病は若年期に発症することが多く, 膵β細胞が破壊される自己免疫疾患であるが, 遺伝因子, 環境因子が関与して発症すると考えられている. 2型糖尿病は成人, 特に中高年期に発症し, 遺伝に加えて生活習慣やその他の環境因子に影響される疾患である3). 慢性の歯周炎も中高年期に罹患率が高いことから, 糖尿病患者は慢性歯周炎を併発していることが多い. 糖尿病による...
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Veröffentlicht in: | 日本歯科保存学雑誌 2006/10/31, Vol.49(5), pp.698-707 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」近年, 糖尿病と歯周疾患との関係が研究され, 糖尿病は歯周疾患の重要なリスクファクターとみなされている1,2). 糖尿病はその成因から主に, 1型糖尿病(インシュリン依存性)と2型糖尿病(インシュリン非依存性)に分けられる. 1型糖尿病は若年期に発症することが多く, 膵β細胞が破壊される自己免疫疾患であるが, 遺伝因子, 環境因子が関与して発症すると考えられている. 2型糖尿病は成人, 特に中高年期に発症し, 遺伝に加えて生活習慣やその他の環境因子に影響される疾患である3). 慢性の歯周炎も中高年期に罹患率が高いことから, 糖尿病患者は慢性歯周炎を併発していることが多い. 糖尿病による代謝障害は, 高血糖に関係する血管基底膜への傷害やそれに伴う全身的および局所的な細菌感染に対する抵抗力を減弱させることにより, 炎症性の歯周疾患の進行を促進させると考えられている. また, 逆に重度の歯周炎は慢性炎症を呈し, 糖尿病患者の血糖のコントロールに関係していることも明らかにされた1). |
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ISSN: | 0387-2343 2188-0808 |
DOI: | 10.11471/shikahozon.49.698 |