ヒト歯髄細胞のPGE2産生に対する多血小板血漿(platelet-rich plasma)および洗浄血小板の作用

「緒言」血小板にはplatelet-derived growth factor(PDGF), transforming growth factor-β(TGF-β)あるいはinsulin-like growth factor-I(IGF-I)など多くの成長因子が含まれている1). 近年, これら成長因子の作用を期待して, 歯科領域においても, 骨組織や歯周組織の再生治療に対し多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)が盛んに応用されるようになってきた2-5). しかしながら, PRPによる創傷治癒促進のメカニズムの解明を試みた報告は骨芽細胞や歯肉線維芽細胞が中心で6-9)...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2006/06/30, Vol.49(3), pp.426-434
Hauptverfasser: 段, 建民, 菊地, 寛高, 須田, 朋代, 田島, 雅道, 佐藤, 雅, 杉, 祐紀, 小林, 健二, 坂上, 宏, 片山, 直
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」血小板にはplatelet-derived growth factor(PDGF), transforming growth factor-β(TGF-β)あるいはinsulin-like growth factor-I(IGF-I)など多くの成長因子が含まれている1). 近年, これら成長因子の作用を期待して, 歯科領域においても, 骨組織や歯周組織の再生治療に対し多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)が盛んに応用されるようになってきた2-5). しかしながら, PRPによる創傷治癒促進のメカニズムの解明を試みた報告は骨芽細胞や歯肉線維芽細胞が中心で6-9), 歯髄細胞に対する同因子の作用を検討した報告は数少ない. さらに, 現在PRPを応用した臨床報告では, 基礎的データに裏付けされた組織再生促進に関する報告は少なく1,10), PRP中の組織再生を促進する血小板の理想的な濃度や, 重要な働きを担う成分などは明確に示されているとはいえない11-14). したがって, 最近では, PRPは組織再生療法に対して必ずしも十分な効果を発揮しないとする報告も数多く認められるようである.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.49.426