根未完成歯と根完成歯を用いた自家歯移植の症例報告

「緒言」日常の臨床において, 齲蝕や歯周病あるいは歯の破折などの原因による歯の喪失, そしてそれに引き続いて起こる咬合崩壊などのさまざまな口腔内の不調和な状況に遭遇することがよくある. このような歯の欠損部位において, 機能性や審美性も含めた歯および歯周組織の回復が望まれている. そのため, 天然歯列に近い状態で安定した口腔環境を再構築し, 咬合安定を図ることを目的とした自家歯移植治療は有効な治療手段の一つとして考えられている. また, 自家歯移植は歯根膜組織およびセメント芽細胞・骨芽細胞など歯周組織再生にかかわる細胞の移植であり, 現在の再生医療という考え方からも歯周組織に対して良好な治療方...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2006/06/30, Vol.49(3), pp.331-337
Hauptverfasser: 椛島, 浩明, 阿南, 壽, 磯辺, 量子, 松本, 明子, 甲斐田, 光, 藤城, 直也, 溝部, 都孝, 前田, 勝正
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」日常の臨床において, 齲蝕や歯周病あるいは歯の破折などの原因による歯の喪失, そしてそれに引き続いて起こる咬合崩壊などのさまざまな口腔内の不調和な状況に遭遇することがよくある. このような歯の欠損部位において, 機能性や審美性も含めた歯および歯周組織の回復が望まれている. そのため, 天然歯列に近い状態で安定した口腔環境を再構築し, 咬合安定を図ることを目的とした自家歯移植治療は有効な治療手段の一つとして考えられている. また, 自家歯移植は歯根膜組織およびセメント芽細胞・骨芽細胞など歯周組織再生にかかわる細胞の移植であり, 現在の再生医療という考え方からも歯周組織に対して良好な治療方法であると考えられている. 一方, 自家歯移植は術後の感染や炎症性歯根吸収, 置換性骨吸収といった問題が生じる可能性もあると報告されている1,2). 今回, われわれは根未完成歯と根完成歯を用いた自家歯移植の2症例について報告する. 症例 1.症例1 患者:20歳, 女性. 初診:1992年7月. 主訴:下顎右側第二大臼歯未萌出の精査・治療希望.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.49.331