単純CTを用いた新しい冠状静脈描出法の有用性について

心臓再同期療法(以下, CRT)において冠状静脈(以下, CV)の解剖を術前に把握しておくことは重要である. われわれは以前より単純CTでCVを直接同定し, 手動で描出を行っているが, CV分枝の描出は困難なことも多い. そこで, 心外膜脂肪(以下, Fat)とCVの関係に着目しFatを描出することでCVの解剖学的評価ができる新しい方法(以下, Fat描出法)を考案し, その正確性について評価を行った. CRT植込みを行った52人に対し, 単純CTからCV本幹とFat描出法によりCV分枝を描出した. 描出されたCV分枝は部位別に前壁, 側壁, 後壁と3つに分類し, 植込み術中に行われたCV造影...

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Veröffentlicht in:心電図 2023-04, Vol.43 (1), p.26-35
Hauptverfasser: 徳留大剛, 小和瀬晋弥, 藤原菜実, 鈴木穣, 伊藤浩一, 浅野駿逸, 長田淳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:心臓再同期療法(以下, CRT)において冠状静脈(以下, CV)の解剖を術前に把握しておくことは重要である. われわれは以前より単純CTでCVを直接同定し, 手動で描出を行っているが, CV分枝の描出は困難なことも多い. そこで, 心外膜脂肪(以下, Fat)とCVの関係に着目しFatを描出することでCVの解剖学的評価ができる新しい方法(以下, Fat描出法)を考案し, その正確性について評価を行った. CRT植込みを行った52人に対し, 単純CTからCV本幹とFat描出法によりCV分枝を描出した. 描出されたCV分枝は部位別に前壁, 側壁, 後壁と3つに分類し, 植込み術中に行われたCV造影と比較し, 正確性を3段階(grade1:末梢まで描出, grade2:途中まで描出, grade3:描出不能)で評価した. 植込み対象となるCV分枝は前壁で21本, 側壁で26本, 後壁23本の計70本. 前壁ではgrade1が8本(38.1%), grade2が5本(23.8%), grade3が8本(38.1%), 側壁ではgrade1が14本(53.8%), grade2が4本(15.4%), grade3が8本(30.8%). 後壁ではgrade1が15本(65.2%), grade2が6本(26.1%), grade3が2本(8.7%)だった. Fat描出法はFatの存在に依存するが, CV分枝を正確に描出可能である.
ISSN:0285-1660