心房細動発症または診断からカテーテルアブレーション治療までの期間と治療効果に関する検討―プライマリケア医の役割

心房細動(atrial fibrillation:AF)に対するカテーテルアブレーションは,その高い治療効果から広く施行されるようになってきたが,術後の再発は課題のひとつである.その治療効果について,施行施設からの報告は多い.しかし,プライマリケアを行う医療機関からの,本邦におけるAFに対するカテーテルアブレーションの早期実施効果を検討した報告は少ない.今回われわれは,AFの発症または診断からカテーテルアブレーション治療までの期間による治療効果を検討した.当院を受診したAF患者のうちカテーテルアブレーションを施行した発作性AF82例と持続性AF15例を対象とした.カテーテルアブレーション術後3...

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Veröffentlicht in:心電図 2020/10/30, Vol.40(3), pp.158-166
Hauptverfasser: 松本, 善太郎, 小堀, 敦志, 熊谷, 浩一郎, 遠山, 英子, 吉田, 寿子, 新谷, 歩, 佐々木, 康博, 古川, 裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:心房細動(atrial fibrillation:AF)に対するカテーテルアブレーションは,その高い治療効果から広く施行されるようになってきたが,術後の再発は課題のひとつである.その治療効果について,施行施設からの報告は多い.しかし,プライマリケアを行う医療機関からの,本邦におけるAFに対するカテーテルアブレーションの早期実施効果を検討した報告は少ない.今回われわれは,AFの発症または診断からカテーテルアブレーション治療までの期間による治療効果を検討した.当院を受診したAF患者のうちカテーテルアブレーションを施行した発作性AF82例と持続性AF15例を対象とした.カテーテルアブレーション術後3ヵ月以後に30秒以上持続する心房性不整脈を再発と定義した.年齢およびCHADS2スコアにかかわらず,AF発症または診断からカテーテルアブレーション治療実施までの期間が短くなるほど初回治療後の洞調律維持率が上昇した.AFは進行性疾患であり,AFの発症および診断から,抗凝固薬と効果の不確定な抗不整脈薬のみで漫然と経過観察するのではなく,できるだけ早期にカテーテルアブレーションを実施するため,プライマリケア医の早い判断で施行可能な施設に紹介することが重要であると考えられた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.40.158