Bertil Hille:『Ion Channels of Excitable Membranes』

イオンチャネルは, すべての生物が生きるために必要な細胞の興奮や情報伝達などに働くタンパク質であり, 酵素のように普遍的な生命現象の担い手である. 同様に厳密な基質特異性をもち, 種々の巧妙な制御を受けている. 私は, ひょんなことから, 大学院生のときに, このイオンチャネルの構造と機能の研究に足を突っ込み, 以来, 30年以上にわたり, この領域の研究に携わることになった. 一つのテーマで, これだけの仕事を続けてこられたのは, アカデミアでの研究継続がいよいよ困難なこの時代において, 非常に幸運であった. 大学を卒業したのが1978年で, 京都大学病院で1年間の内科研修後, 野線病院のよ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心電図 2018/12/21, Vol.38(4), pp.291-294
1. Verfasser: 堀江, 稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:イオンチャネルは, すべての生物が生きるために必要な細胞の興奮や情報伝達などに働くタンパク質であり, 酵素のように普遍的な生命現象の担い手である. 同様に厳密な基質特異性をもち, 種々の巧妙な制御を受けている. 私は, ひょんなことから, 大学院生のときに, このイオンチャネルの構造と機能の研究に足を突っ込み, 以来, 30年以上にわたり, この領域の研究に携わることになった. 一つのテーマで, これだけの仕事を続けてこられたのは, アカデミアでの研究継続がいよいよ困難なこの時代において, 非常に幸運であった. 大学を卒業したのが1978年で, 京都大学病院で1年間の内科研修後, 野線病院のような静岡市立病院の循環器内科(医長は泰江弘文先生. のちの熊本大学・初代循環器内科教授)で6年近く働いたあとの大学院入学であったが, ちょうどその年, 1984年に出版されたのがBertil Hille先生の『Ion Channels of Excitable Membranes(興奮性膜のイオンチャネル)』である.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.38.291