心筋細胞のMg2+トランスポート

細胞内Mg2+濃度([Mg2+]i)は,細胞外からの受動的な流入と細胞外への能動的な汲み出し輸送のバランスによって維持されていると考えられる.私たちは哺乳類の心筋細胞を使って,細胞膜を介するMg2+輸送の機能解析を行ってきた.ラット心室筋細胞の[Mg2+]iを蛍光指示薬furaptraで測定したところ,静止時の[Mg2+]iは0.7~1.0mMであった.細胞を無Mg2+高K+溶液に浸漬して細胞内Mg2+を減少させた後,細胞外Mg2+濃度を1mMに戻すと,[Mg2+]iは指数関数的に上昇し,静止レベルに回復した(Mg2+流入).逆に,高Mg2+低Na+液に浸漬して細胞内にMg2+を負荷した後,細...

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Veröffentlicht in:心電図 2013, Vol.33(2), pp.175-178
Hauptverfasser: 小西, 真人, 田代, 倫子, 井上, 華
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:細胞内Mg2+濃度([Mg2+]i)は,細胞外からの受動的な流入と細胞外への能動的な汲み出し輸送のバランスによって維持されていると考えられる.私たちは哺乳類の心筋細胞を使って,細胞膜を介するMg2+輸送の機能解析を行ってきた.ラット心室筋細胞の[Mg2+]iを蛍光指示薬furaptraで測定したところ,静止時の[Mg2+]iは0.7~1.0mMであった.細胞を無Mg2+高K+溶液に浸漬して細胞内Mg2+を減少させた後,細胞外Mg2+濃度を1mMに戻すと,[Mg2+]iは指数関数的に上昇し,静止レベルに回復した(Mg2+流入).逆に,高Mg2+低Na+液に浸漬して細胞内にMg2+を負荷した後,細胞外にNa+を加えると[Mg2+]iは速やかに低下し,静止レベルに戻った(Na+依存性Mg2+汲み出し輸送).これらの輸送の特性により生理的[Mg2+]iは静止レベル付近に維持されると考えられるが,輸送体の機能が低下する病態においては[Mg2+]iが大きく変動する可能性がある.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.33.175