周期依存性の房室ブロックをきたしペースメーカー植込みを要した症候性HVブロック症例

症例は47歳,男性.生来健康で,胸痛などの自覚症状はない.意識障害にて当院救急外来を受診したところ,心電図上完全房室ブロックによる最大10秒までの心停止を繰り返した.徐脈による症状と推定し,緊急入院のうえ経静脈ペーシングを行い,待機的に電気生理学的検査ならびにペースメーカー植込み術を施行した.冠動脈に異常はなく,左室収縮機能も正常であった.His束心電図ではHVブロックを認めたが,逆行性房室伝導はみられなかった.洞結節回復時間を確認するため洞調律より20bpm速い頻度(110bpm)で刺激を加えたところ,刺激直後から1:1の関係を保って持続的に心房刺激が心室を捕捉する所見がみられた.刺激停止後...

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Veröffentlicht in:心電図 2012, Vol.32(1), pp.5-10
Hauptverfasser: 田村, 美恵子, 野田, 誠, 村上, 輔, 渡部, 真吾, 大山, 明子, 山本, 康人, 田代, 宏徳, 薄井, 宙男, 市川, 健一郎, 恵木, 康壮, 針谷, 明房, 高澤, 賢次, 磯部, 光章
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は47歳,男性.生来健康で,胸痛などの自覚症状はない.意識障害にて当院救急外来を受診したところ,心電図上完全房室ブロックによる最大10秒までの心停止を繰り返した.徐脈による症状と推定し,緊急入院のうえ経静脈ペーシングを行い,待機的に電気生理学的検査ならびにペースメーカー植込み術を施行した.冠動脈に異常はなく,左室収縮機能も正常であった.His束心電図ではHVブロックを認めたが,逆行性房室伝導はみられなかった.洞結節回復時間を確認するため洞調律より20bpm速い頻度(110bpm)で刺激を加えたところ,刺激直後から1:1の関係を保って持続的に心房刺激が心室を捕捉する所見がみられた.刺激停止後に再びHVブロックによる房室伝導障害が顕在化した.本現象は器質的心疾患の指摘されない健常心筋に生じた徐脈依存性ブロックと考えられ,その機序に第4相ブロックの関与が示唆された.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.32.5