慢性期における右室流出路中隔ペーシングと右室心尖部ペーシングの比較

右室心尖部ペーシングの心機能に対する悪影響が大規模な研究により明らかになり,その弊害を減らすために右室流出路中隔ペーシングの積極的な導入が検討されている.しかし,短期の報告が多く慢性期の結果については不明であったため,今回の研究で慢性期の結果を比較検討した.対象は心機能の低下のないペースメーカ適応症例とした.各20症例を右室流出路中隔群と右室心尖部群とに分け,QRS幅の変化,閾値,感度,抵抗値,BNP値,左室駆出率,新規の心房細動(AF)の有無,AF持続時間について24ヵ月にわたり観察,検討した.結果,右室流出路中隔群のほうがQRS幅は狭く,BNP値も低下した.ペースメーカのパラメータは両群に...

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Veröffentlicht in:心電図 2009, Vol.29(5), pp.333-340
Hauptverfasser: 清野, 正典, 田中, 数彦, 虎渓, 則孝, 中原, 志朗, 酒井, 良彦, 高柳, 寛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:右室心尖部ペーシングの心機能に対する悪影響が大規模な研究により明らかになり,その弊害を減らすために右室流出路中隔ペーシングの積極的な導入が検討されている.しかし,短期の報告が多く慢性期の結果については不明であったため,今回の研究で慢性期の結果を比較検討した.対象は心機能の低下のないペースメーカ適応症例とした.各20症例を右室流出路中隔群と右室心尖部群とに分け,QRS幅の変化,閾値,感度,抵抗値,BNP値,左室駆出率,新規の心房細動(AF)の有無,AF持続時間について24ヵ月にわたり観察,検討した.結果,右室流出路中隔群のほうがQRS幅は狭く,BNP値も低下した.ペースメーカのパラメータは両群に差は認めなかった.AFの発生率は右室流出路中隔群にて低い傾向があり,AFの持続時間の平均は短かった.右室流出路中隔ペーシングは右室心尖部ペーシングと同様に管理は容易であり,心機能への影響も小さく,AFの悪化も少ないと考えられた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.29.333