心室細動発作にて発症したQTcがボーダーライン上の先天性QT延長症候群の3例

先天性QT延長症候群(LQTS)では,QTcが長いほど予後不良といわれる.【症例1】28歳,男性.2006年5月の朝,会話中に心室細動(VF)を発症した.QTc445msecであったが,イソプロテレノール負荷試験にてQTU延長を認め,LQTSと診断した.【症例2】36歳,女性.2006年1月の昼頃,軽労働中にVFを発症した.QTc448msecであったが,イソプロテレノール負荷にてQT延長を認め,LQTSと診断した.【症例3】15歳,女性.2006年,長距離走中に心肺停止した.QTc 410msecと正常であったが,エピネフリン負荷でQTc 667msecと延長し,LQTSと診断した.3例とも...

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Veröffentlicht in:心電図 2009, Vol.29(2), pp.156-161
Hauptverfasser: 齋藤, 章宏, 金古, 善明, 中島, 忠, 太田, 昌樹, 入江, 忠信, 加藤, 寿光, 飯島, 貴史, 秋山, 昌洋, 間仁田, 守, 伊藤, 敏夫, 谷口, 靖広, 倉林, 正彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:先天性QT延長症候群(LQTS)では,QTcが長いほど予後不良といわれる.【症例1】28歳,男性.2006年5月の朝,会話中に心室細動(VF)を発症した.QTc445msecであったが,イソプロテレノール負荷試験にてQTU延長を認め,LQTSと診断した.【症例2】36歳,女性.2006年1月の昼頃,軽労働中にVFを発症した.QTc448msecであったが,イソプロテレノール負荷にてQT延長を認め,LQTSと診断した.【症例3】15歳,女性.2006年,長距離走中に心肺停止した.QTc 410msecと正常であったが,エピネフリン負荷でQTc 667msecと延長し,LQTSと診断した.3例とも,今回のVF発作が初発症状で器質的心疾患,Brugada症候群を含む特発性VFは否定的であった.3症例全てに植込み型除細動器の植込みを,症例1,3にβ遮断薬を投与した.【結語】QTcがボーダーライン上のLQTSにもVFは発症する.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.29.156