2. ニフェカラント静注薬の利点と欠点
ニフェカラント静注薬は我が国で開発された唯一の純粋なIKrチャネル遮断薬であり, 重症心室不整脈に対する高い抑制効果が示されている. 特に急性冠症候群など冠動脈疾患に合併した難治性の心室頻拍・心室細動(VT/VF)に対しては, 8割を超える患者において有効性が示された. また, 拡張型心筋症など慢性的な病変によるVT/VFに対する効果は若干劣るものの, 6割を超える効果が確認された. ニフェカラントに残された最大の問題は, 過剰なQT延長によるtorsade de pointesの誘発であろう. この合併症を避けるためには推奨されているよりも少ない量(loadingは0.15~0.2mg/kg...
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Veröffentlicht in: | 心電図 2009, Vol.29 (1), p.10-17 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ニフェカラント静注薬は我が国で開発された唯一の純粋なIKrチャネル遮断薬であり, 重症心室不整脈に対する高い抑制効果が示されている. 特に急性冠症候群など冠動脈疾患に合併した難治性の心室頻拍・心室細動(VT/VF)に対しては, 8割を超える患者において有効性が示された. また, 拡張型心筋症など慢性的な病変によるVT/VFに対する効果は若干劣るものの, 6割を超える効果が確認された. ニフェカラントに残された最大の問題は, 過剰なQT延長によるtorsade de pointesの誘発であろう. この合併症を避けるためには推奨されているよりも少ない量(loadingは0.15~0.2mg/kg, 維持量は0.2mg/kg/時)から投与を開始し, モニター心電図による継続した監視と12誘導心電図でのQT時間の観察が必須である. 同薬剤の中止または減量の目安はQTc時間が550msecを超えた場合と考えられる. また, アミオダロン静注薬との使い分けや, 経口薬への移行などについては今後に残された課題である. |
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ISSN: | 0285-1660 |