遅延造影MRIによる梗塞サイズの評価と心電図変化

RJ Kimらが, イヌの心筋梗塞モデルを用いて, 遅延造影MRIにより描出される梗塞サイズが, 病理学的に評価される梗塞サイズにきわめてよく一致することを報告して以来1), 本法は, 心筋梗塞の診断や梗塞サイズの評価において, 非常に重要な検査法の一つとなりつつある2). 本論文は, この遅延造影MRIにより計測した梗塞巣の壁内深達度と, 心筋梗塞の予後規定因子の一つであるQRS幅延長との関連を斬新な方法で検討した報告3)である. 中村らの検討によると, QRS幅の延長を示した症例は, いずれも有意に梗塞巣の壁内深達度が大きく, 貫壁性梗塞の頻度が高く, 左室駆出率は低く, さらにピークCK...

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Veröffentlicht in:心電図 2008/06/08, Vol.28(3), pp.224-224
Hauptverfasser: 寺岡, 邦彦, 山科, 章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:RJ Kimらが, イヌの心筋梗塞モデルを用いて, 遅延造影MRIにより描出される梗塞サイズが, 病理学的に評価される梗塞サイズにきわめてよく一致することを報告して以来1), 本法は, 心筋梗塞の診断や梗塞サイズの評価において, 非常に重要な検査法の一つとなりつつある2). 本論文は, この遅延造影MRIにより計測した梗塞巣の壁内深達度と, 心筋梗塞の予後規定因子の一つであるQRS幅延長との関連を斬新な方法で検討した報告3)である. 中村らの検討によると, QRS幅の延長を示した症例は, いずれも有意に梗塞巣の壁内深達度が大きく, 貫壁性梗塞の頻度が高く, 左室駆出率は低く, さらにピークCKは大という興味ある結果を示した. しかし, 本論文では, その限界点でも述べられているように, 心電図変化を認めた時期がMRI撮影の時期と一致していないこと, さらに梗塞巣の深達度が一断面で決められていること, またMRI撮影のタイミングに, 梗塞発症後2週間~6ヵ月間と大きなばらつきがあることなど, 今後さらに検討を要する点も認められた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.28.224