第24回日本心電学会学術集会 学術諮問委員会指定トピックスシンポジウム‐不整脈受攻性因子としての性差と加齢

QT延長症候群に伴うtorsade de pointed(TdP)型不整脈リスクは男性に比べて女性で高く, 女性に限定しても性周期などにより変動することがしられている. 多くの臨床データから性ホルモンであるテストステロンおよびプロゲステロンが保護的に働くことが示唆されている. 複数の研究グループがテストステロン, プロゲステロンの心筋イオンチャネルに対する慢性作用を検討しているが, 現時点では保護作用を支持するデータは得られていない. そこでわれわれは, モルモット心筋細胞を用いてテストステロン, プロゲステロンの非ゲノム作用を検討した. いずれも活動電位幅を急性作用として短縮させ, 基底状態...

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Veröffentlicht in:心電図 2008, Vol.28 (2), p.119-128
Hauptverfasser: 古川哲史, 黒川洵子, 中村浩章, 白長喜, 浅田健, 玉川正次, 中谷晴昭, Ronit Vaknin, Jun Xu, Colleen E. Clancy, 磯部光章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:QT延長症候群に伴うtorsade de pointed(TdP)型不整脈リスクは男性に比べて女性で高く, 女性に限定しても性周期などにより変動することがしられている. 多くの臨床データから性ホルモンであるテストステロンおよびプロゲステロンが保護的に働くことが示唆されている. 複数の研究グループがテストステロン, プロゲステロンの心筋イオンチャネルに対する慢性作用を検討しているが, 現時点では保護作用を支持するデータは得られていない. そこでわれわれは, モルモット心筋細胞を用いてテストステロン, プロゲステロンの非ゲノム作用を検討した. いずれも活動電位幅を急性作用として短縮させ, 基底状態ではIks, 活性化, 交感神経刺激状態ではIca, L抑制がイオン機序であった. この作用をコンピュータシミュレーションFaber-Rudyモデルに導入すると, 活動電位幅ならびに先天性・薬物誘発性不整脈リスクが性周期により変動することが予測された. 生命科学的実験と計算科学的アプローチを用いることにより, QT延長症候群の不整脈のリスク予測と患者管理を向上させる可能性が示唆される.
ISSN:0285-1660