薬物チャネル作用動態と器官活動-スーパーコンピュータ上の仮想心臓モデルによる心室細動発生機構の検討

心室細動に代表される致死性不整脈のような複雑な心電現象を, 単純なモデル化や数式化により理解することは困難である. コンピュータシミュレーションおよび可視化は, その複雑なメカニズムの整理や直感的な理解のためにはきわめて有効な手段である. 将来的に致死性不整脈の発生危険度の予測を行うためには, これら遺伝子異常やイオンチャネル機能異常の理解に基づき, チャネル機能の変化や心筋細胞電気活動の変化など蓄積された膨大な知見を定量的に統合したうえで, 組織・器官レベルでの電気活動の変化をシミュレーションする必要がある. そこで, 電気生理学的特性および解剖学的特徴などを組み込んだ仮想心臓モデルを用いて...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心電図 2007, Vol.27 (2), p.129-139
Hauptverfasser: 中沢一雄, 原口亮, 内藤博昭, 東将浩, 清水渉, 芦原貴司, 難波経豊, 八尾武憲, 藤堂貴弘, 池田隆徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:心室細動に代表される致死性不整脈のような複雑な心電現象を, 単純なモデル化や数式化により理解することは困難である. コンピュータシミュレーションおよび可視化は, その複雑なメカニズムの整理や直感的な理解のためにはきわめて有効な手段である. 将来的に致死性不整脈の発生危険度の予測を行うためには, これら遺伝子異常やイオンチャネル機能異常の理解に基づき, チャネル機能の変化や心筋細胞電気活動の変化など蓄積された膨大な知見を定量的に統合したうえで, 組織・器官レベルでの電気活動の変化をシミュレーションする必要がある. そこで, 電気生理学的特性および解剖学的特徴などを組み込んだ仮想心臓モデルを用いて, 心室細動発生機構の検討のために必要な要素技術のいくつかを概説する. また, 致死性不整脈の予防や治療を支援するため, 個々の患者における不整脈発生危険率を仮想心臓モデルにおいて予測し, Webサービスとして提供する試作システムの枠組みについても示す.
ISSN:0285-1660
DOI:10.5105/jse.27.129