アナログ記録心電図からActivation Recovery Interval Dispersionを計測するための基礎的検討

[目的] 心室再分極の不均一性指標であるactivation recovery interval(ARI)dispersionの計測には, 従来体表面電位図またはデジタル心電計が必要であった. 本研究ではアナログ記録された心電図からのARI解析の可能性を検討した. [対象] 複数の循環器専門医が正常と診断した40名のデジタル記録心電図(D-ECG)を対象とした. QT解析ソフト(QTD-1)にて得たARIと, 同一心電図波形情報を記録紙に書き出したアナログ記録心電図(A-ECG)をデジタル変換後に微分解析して得たAR1を比較検討した. [結果] D-ECGとA-ECGから得られたARIは有意な...

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Veröffentlicht in:心電図 2006, Vol.26 (6), p.825-831
Hauptverfasser: 國島友之, 三宅良彦, 新井まり子, 南家俊彦, 黒川信悟, 吉野秀朗, 松本万夫, 古川泰司, 吉岡公一郎, 杉村浩之, 村川裕二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[目的] 心室再分極の不均一性指標であるactivation recovery interval(ARI)dispersionの計測には, 従来体表面電位図またはデジタル心電計が必要であった. 本研究ではアナログ記録された心電図からのARI解析の可能性を検討した. [対象] 複数の循環器専門医が正常と診断した40名のデジタル記録心電図(D-ECG)を対象とした. QT解析ソフト(QTD-1)にて得たARIと, 同一心電図波形情報を記録紙に書き出したアナログ記録心電図(A-ECG)をデジタル変換後に微分解析して得たAR1を比較検討した. [結果] D-ECGとA-ECGから得られたARIは有意な関係を認め(R=0.951, p<0.0001), ARI dispersionにおいても同様に有意な関係を認めた(R=0.889, p<0.0001). [結論] A-ECGからのARI解析の可能性が示唆された. 「I. はじめに」 Cowanら1)は心室筋再分極時間の空間的不均一性を表す指標として, 標準12誘導心電図におけるQT dispersionを報告した. さらにQT dispersion以外に心電図から得られる心筋再分極過程の不均一性を非観血的に評価する方法として, activation recovery interval dispersion(以下ARI dispersion)2)およびrecovery time dispersion(以下RT dispersion)3)がある.
ISSN:0285-1660
DOI:10.5105/jse.26.825