心拍数の性差に対する自律神経活動の関与

[目的] 心拍数には性差が存在し, 一般に女性は男性より高値である. 一方, 心拍数を規定する洞結節は, 自律神経活動の修飾を受ける. そこで今回, 心拍数の性差に対する自律神経活動の関与を検討した. [方法] 明らかな心疾患を有さない287例(平均年齢45.4歳, 4~85歳)に, 24時間ホルター心電図検査を施行した. 連続する洞調律QRS波よりなるRR間隔(NN間隔)の一日平均値と心拍変動解析から算出した6指標(時間領域のSDNN.SDANN, RMSSD;周波数領域のHF, LF, LF/HF)の性差を, 10歳ごとに層別化した各群で検討した. [結果] 全対象における平均NN間隔は女...

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Veröffentlicht in:心電図 2005, Vol.25 (4), p.259-264
Hauptverfasser: 村瀬順子, 川崎達也, 平松利枝子, 杉原洋樹, 東山孝二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[目的] 心拍数には性差が存在し, 一般に女性は男性より高値である. 一方, 心拍数を規定する洞結節は, 自律神経活動の修飾を受ける. そこで今回, 心拍数の性差に対する自律神経活動の関与を検討した. [方法] 明らかな心疾患を有さない287例(平均年齢45.4歳, 4~85歳)に, 24時間ホルター心電図検査を施行した. 連続する洞調律QRS波よりなるRR間隔(NN間隔)の一日平均値と心拍変動解析から算出した6指標(時間領域のSDNN.SDANN, RMSSD;周波数領域のHF, LF, LF/HF)の性差を, 10歳ごとに層別化した各群で検討した. [結果] 全対象における平均NN間隔は女性で低値であった(791±119msec vs 820±111msec, p=0.047). 年齢ごとの比較では, 30~59歳の女性で男性より平均NN間隔が低値であった. RMSSDとHFは両性で加齢とともに減少したが(男性Spearman r=-0.52, 女性Spearman r=-0.51;男性Spearman r=-0.60, 女性Spearman r=-0.62;ともにp<0.001), 各心拍変動指標には心拍数の性差に一致した有意差は認められなかった. [結論] 心拍数の性差に対する自律神経活動の関与は乏しいことが推察された.
ISSN:0285-1660
DOI:10.5105/jse.25.259