アンジオテンシンIIのイヌ正常心房電気生理学的特性に対する影響についての検討

レニン・アンジオテンシン系(RAS)の抑制は心室性不整脈を減少させると考えられているが, 心房細動(AF)など心房性不整脈についての効果は未だ明らかでない. そこで今回我々はイヌを用い, 洞調律下, 薬理学的自律神経遮断下にアンジオテンシンII(Ang II)またはAng II 1型受容体拮抗薬(AT1A)を投与してこれらが心房電気生理学的特性に与える影響について検討した. 生理学的に十分量のAng IIまたはAT1A投与にもかかわらず心房有効不応期(AERP)には有意な変化は認められず, 全例で洞調律が維持され, AFを含む心房性不整脈発生や心房受攻性亢進を示唆する所見も認められなかった....

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Veröffentlicht in:心電図 2002, Vol.22 (6), p.620-625
Hauptverfasser: 矢野暁生, 井川修, 足立正光, 菅敏光, 三明淳一朗, 井上義明, 山内優美, 小倉一能, 加藤克, 田中宏明, 園山一彦, 佐々木紀仁, 久留一郎, 重政千秋, 佐藤慶祐
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:レニン・アンジオテンシン系(RAS)の抑制は心室性不整脈を減少させると考えられているが, 心房細動(AF)など心房性不整脈についての効果は未だ明らかでない. そこで今回我々はイヌを用い, 洞調律下, 薬理学的自律神経遮断下にアンジオテンシンII(Ang II)またはAng II 1型受容体拮抗薬(AT1A)を投与してこれらが心房電気生理学的特性に与える影響について検討した. 生理学的に十分量のAng IIまたはAT1A投与にもかかわらず心房有効不応期(AERP)には有意な変化は認められず, 全例で洞調律が維持され, AFを含む心房性不整脈発生や心房受攻性亢進を示唆する所見も認められなかった. RASの変化は生体位の正常心房電気生理学的特性に急性の影響を与えず, 臨床上のAF一次予防という点で, 正常心で急性にRASを抑制する重要性はさほどないものと思われた. (心電図, 2002;22:620~625)
ISSN:0285-1660
DOI:10.5105/jse.22.620