致死的心室性不整脈患者のT波後半成分のばらつきに関する検討

【目的】致死的心室性不整脈例において, T波後半成分とそのばらつきの臨床的意義について検討した.【方法】器質的心疾患例(OHD)92例と健常者82例を持続性心室頻拍, 心室細動を有するOHD群(SVT+)と有さないOHD群(SVT-), 健常者群(N)の3群に分類し, 各々安静時12誘導心電図におけるQ波からT波の終了点(QT), Q波からT波の頂点(QaTp), T波の頂点からT波の終了点(TpE), 各々のdispersion(QTd, QaTpd, TpEd)を求め3群間で比較検討した.【結果】SVT+とSVT-との比較検討では, 特にTpEで大きな有意差をもってSVT+で延長していた....

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Veröffentlicht in:心電図 2002, Vol.22 (4), p.256-265
Hauptverfasser: 黒田奈巳, 大西祥男, 岡嶋克則, 石田明彦, 北村秀綱, 吉田明弘, 横山光宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】致死的心室性不整脈例において, T波後半成分とそのばらつきの臨床的意義について検討した.【方法】器質的心疾患例(OHD)92例と健常者82例を持続性心室頻拍, 心室細動を有するOHD群(SVT+)と有さないOHD群(SVT-), 健常者群(N)の3群に分類し, 各々安静時12誘導心電図におけるQ波からT波の終了点(QT), Q波からT波の頂点(QaTp), T波の頂点からT波の終了点(TpE), 各々のdispersion(QTd, QaTpd, TpEd)を求め3群間で比較検討した.【結果】SVT+とSVT-との比較検討では, 特にTpEで大きな有意差をもってSVT+で延長していた. DispersionではQaTpdは有意差はなく, QTd, TpEdがSVT+で有意に大であった.【総括】致死的心室性不整脈を有する器質的心疾患例では, T波後半成分のばらつきが, 致死的心室性不整脈と密接に関係する可能性が示唆された. (心電図, 2002;22:256~265)
ISSN:0285-1660
DOI:10.5105/jse.22.256