特発性の心室性期外収縮の運動負荷試験における変化:運動後低カリウム血症の重要性

【目的】右室流出路起源の心室性期外収縮(PVC)は運動誘発性を特徴のひとつとするがその詳細は報告によって若干異なるため, 今回運動負荷試験中のPVCを血漿力テコールアミン濃度および血清K+濃度との関連で検討した.【方法】体表面心電図波形から右室流出路起源と判断されたPVCを有する3症例に症候限界性の運動負荷試験を施行した. 連続心電図記録下のPVCの発生頻度と血漿カテコールアミン濃度と血清K+濃度との関連を検討した.【結果】運動負荷試験の進行につれてPVCは増加傾向を示し, 血漿カテコールアミン濃度と血清K+濃度は直線的に増加した. しかし最大運動強度に近づくにつれてPVCは減少ないし消失し,...

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Veröffentlicht in:心電図 2002, Vol.22 (4), p.242-249
Hauptverfasser: 中須賀一太, 岡本和彦, 久保田聡子, 有田武史, 古賀英幸, 安田雄一郎, 林田晃寛, 山形康洋, 久間文明, 伊東裕幸, 丸山徹, 加治良一, 金谷庄藏, 藤野武彦, 原田実根
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】右室流出路起源の心室性期外収縮(PVC)は運動誘発性を特徴のひとつとするがその詳細は報告によって若干異なるため, 今回運動負荷試験中のPVCを血漿力テコールアミン濃度および血清K+濃度との関連で検討した.【方法】体表面心電図波形から右室流出路起源と判断されたPVCを有する3症例に症候限界性の運動負荷試験を施行した. 連続心電図記録下のPVCの発生頻度と血漿カテコールアミン濃度と血清K+濃度との関連を検討した.【結果】運動負荷試験の進行につれてPVCは増加傾向を示し, 血漿カテコールアミン濃度と血清K+濃度は直線的に増加した. しかし最大運動強度に近づくにつれてPVCは減少ないし消失し, 血清K+濃度の増加は血漿カテコールアミン濃度のそれに比して鈍化した. 運動終了後は血漿カテコールアミン濃度と血清K+濃度は急速に減少したが, 血清K+濃度の低下が顕著であった(postexercise hypokalemia). 血漿カテコールアミン濃度が運動前値にまで低下せずに低K+血症を示す運動直後の数分間にPVCが頻発した.【結語】右室流出路起源のPVCの運動誘発性を検討する際は, 血漿カテコールアミン濃度のみならず血清K+濃度を考慮する必要性が示唆された. (心電図,2002;22:242~249)
ISSN:0285-1660
DOI:10.5105/jse.22.242