塩酸ピルジカイニド静注による心房筋の電気生理学的特性への影響

塩酸ピルジカイニド(PIL)の心房筋の電気生理学的特性への影響を検討した.【方法】心臓電気生理学的検査を受けた正常心機能患者16例を対象とし, PIL静注(1mg/kg)前後で電気生理学的諸指標, 血圧を測定した.【結果】PIL静注により, 心房有効不応期は有意に延長したが, 心室有効不応期は有意な変化はしなかった. 心房電位幅および心房内伝導時間, QRS幅はそれぞれ有意に延長した. AH, HV時間は有意に延長し, 右房からの高頻度刺激時の房室伝導能も有意に低下した. 断裂性心房電位誘発帯は有意に減少し, 伝導遅延誘発帯, 反復性心房応答誘発帯も減少傾向を示した. 心房, 心室閾値, 血圧...

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Veröffentlicht in:心電図 2002, Vol.22 (4), p.220-229
Hauptverfasser: 角川浩之, 清水昭彦, 山縣俊彦, 江里正弘, 上山剛, 大村昌人, 木村征靖, 吉賀康裕, 土居正浩, 亀谷良介, 金本将司, 井上宣子, 松崎益徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:塩酸ピルジカイニド(PIL)の心房筋の電気生理学的特性への影響を検討した.【方法】心臓電気生理学的検査を受けた正常心機能患者16例を対象とし, PIL静注(1mg/kg)前後で電気生理学的諸指標, 血圧を測定した.【結果】PIL静注により, 心房有効不応期は有意に延長したが, 心室有効不応期は有意な変化はしなかった. 心房電位幅および心房内伝導時間, QRS幅はそれぞれ有意に延長した. AH, HV時間は有意に延長し, 右房からの高頻度刺激時の房室伝導能も有意に低下した. 断裂性心房電位誘発帯は有意に減少し, 伝導遅延誘発帯, 反復性心房応答誘発帯も減少傾向を示した. 心房, 心室閾値, 血圧, 洞結節機能回復時間には有意な変化はみられなかった.【総括】PILは心房有効不応期の延長および伝導抑制作用を示し, 心房受攻性の各指標を改善させた. 正常心機能例では, 血圧の低下等の合併症はなく, 安全であるが, QRS幅の延長には注意が必要である. (心電図, 2002:22:220~229)
ISSN:0285-1660
DOI:10.5105/jse.22.220