心筋梗塞の予後規定因子と心電図-加算平均心電図, T波変動解析, QT間隔解析を用いての評価
急性心筋梗塞(MI)患者において, 微小心電信号であるlate potentials(LP), T-wave alternans(TWA), QT dispersion(QTD)の予後規定因子としての有用性を評価し, TWAに関してはその発現機序についても評価した. プロトコール1:対象は急性MI患者102例. 不整脈事故(持続性心室頻拍/細動の自然発症と定義)が, 前向きに調査された. LP, TWA, QTD(>65msec)の陽性率は, それぞれ21%, 49%, 20%であった. 平均13±6ヵ月の観察期間中15例(15%)において不整脈事故が発生した. 3指標ともに不整脈事故と有意な...
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Veröffentlicht in: | 心電図 2001-05, Vol.21 (3), p.293-299 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 急性心筋梗塞(MI)患者において, 微小心電信号であるlate potentials(LP), T-wave alternans(TWA), QT dispersion(QTD)の予後規定因子としての有用性を評価し, TWAに関してはその発現機序についても評価した. プロトコール1:対象は急性MI患者102例. 不整脈事故(持続性心室頻拍/細動の自然発症と定義)が, 前向きに調査された. LP, TWA, QTD(>65msec)の陽性率は, それぞれ21%, 49%, 20%であった. 平均13±6ヵ月の観察期間中15例(15%)において不整脈事故が発生した. 3指標ともに不整脈事故と有意な関連性を示し, 多変量解析からTWAが最も有用と考えられた(相対危険率10.2). TWAの感度(93%)と陰性的中率(98%)は高かったが, 一方で陽性的中率(28%)は低かった. プロトコール2:対象は運動負荷中にTWA測定を行った虚血性心疾患患者351例. 負荷中にST低下(0.1mV以上)を示した純狭心症(AP)群23例, ST低下(+)MI群38例, ST低下(-)MI群184例の3群に分類し, TWAとST低下との相関性を調査し, 健常者18例のデータとも対比させた. TWA陽性率は純AP群と健常者との間で差はなかったが, 両MI群との比較では明らかに低かった. ST低下の有無によるMI群内での比較では差はなかった. 統括:1)3指標とも不整脈事故の有用な予測指標であったが, 単独使用には限界があることも示された. 2)TWAの出現は, 梗塞巣の存在(虚血の重症度)と関連していることが示された. (心電図, 2001;21:293~299) |
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ISSN: | 0285-1660 |
DOI: | 10.5105/jse.21.293 |