心房粗動・細動の薬物療法

Sicilian Gambitでは心房粗動, 細動の受攻性因子はそれぞれ伝導性と興奮性, 不応期とされている. 通常型心房粗動は三尖弁輪を周回するリエントリーを機序とし, 旋回路内には粗動周期の23%に相当する興奮間隙を認め, 右房下部の相対的緩徐伝導部においても減衰伝導の性質を認めなかった. 抗不整脈薬による旋回路内での伝導ブロックは困難と考えられ, 実際にI群抗不整脈薬の粗動停止効果は50%以下である. 興奮波長を延長させるIII群薬の有効性が期待される. 予防治療としては, 三尖弁輪下大静脈間峡部に対するカテーテルアブレーションが有効である. 心房細動は複数興奮波のrandom reen...

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Veröffentlicht in:心電図 2000, Vol.20 (3), p.218-226
Hauptverfasser: 奥村謙, 岩佐篤, 樋熊拓未, 平賀仁, 小松隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Sicilian Gambitでは心房粗動, 細動の受攻性因子はそれぞれ伝導性と興奮性, 不応期とされている. 通常型心房粗動は三尖弁輪を周回するリエントリーを機序とし, 旋回路内には粗動周期の23%に相当する興奮間隙を認め, 右房下部の相対的緩徐伝導部においても減衰伝導の性質を認めなかった. 抗不整脈薬による旋回路内での伝導ブロックは困難と考えられ, 実際にI群抗不整脈薬の粗動停止効果は50%以下である. 興奮波長を延長させるIII群薬の有効性が期待される. 予防治療としては, 三尖弁輪下大静脈間峡部に対するカテーテルアブレーションが有効である. 心房細動は複数興奮波のrandom reentryを機序とし, 停止には興奮波長の延長が有効と考えられる. Ic群薬も有効であるが, 伝導抑制効果の役割は未だ不明である. 予防のためのIc群薬の長期効果はいずれも50%前後であり限界と考えられる. III群薬は逆使用依存性の少ないIKs遮断作用を有する薬剤の効果が期待される. (心電図 20:No.3, 218~226, 2000)
ISSN:0285-1660
DOI:10.5105/jse.20.218