潜在性副伝導路に対する高周波カテーテル焼灼術施行後にデルタ波が出現した2症例

潜在性房室副伝導路(AP)に対する高周波カテーテル焼灼術(RFCA)後, デルタ波が一過性に出現した潜在性WPW症候群の2症例を報告する. 症例1:左側潜在性APに対して, 経大動脈的に僧帽弁下でRFCAを施行した. 離断は得られなかったが, 房室回帰性頻拍は十数秒で自然停止するため, 経過観察とした, 術後3ヵ月のHolter心電図にて一過性にデルタ波が認められ, その後上室性頻拍の再発が認められた. 症例2:左側潜在性APに対し, 経大動脈的に僧帽弁輪下でRFCAを施行し, 離断に成功したが, 1ヵ月後に上室性頻拍が再発し, 心電図でデルタ波が一過性に出現した. 再度, 経心房中隔的に僧帽...

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Veröffentlicht in:心電図 1999, Vol.19 (1), p.47-52
Hauptverfasser: 渡部弘美, 渡辺一郎, 中井俊子, 近藤一彦, 柳川 新, 小島利明, 國本 聡, 高橋義和, 斎藤 穎, 小沢友紀雄, 上松瀬勝男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:潜在性房室副伝導路(AP)に対する高周波カテーテル焼灼術(RFCA)後, デルタ波が一過性に出現した潜在性WPW症候群の2症例を報告する. 症例1:左側潜在性APに対して, 経大動脈的に僧帽弁下でRFCAを施行した. 離断は得られなかったが, 房室回帰性頻拍は十数秒で自然停止するため, 経過観察とした, 術後3ヵ月のHolter心電図にて一過性にデルタ波が認められ, その後上室性頻拍の再発が認められた. 症例2:左側潜在性APに対し, 経大動脈的に僧帽弁輪下でRFCAを施行し, 離断に成功したが, 1ヵ月後に上室性頻拍が再発し, 心電図でデルタ波が一過性に出現した. 再度, 経心房中隔的に僧帽弁輪上でRFCAが行われた後に, 再発は認めていない. 潜在性APの心室側付着部位に対するRFCA後, 房室副伝導路の順行性伝導が出現した機序として, impedance mismatchが修飾されたものと考えられた. (心電図 19:No.1, 47~52, 1999)
ISSN:0285-1660
DOI:10.5105/jse.19.47