QT延長小児例でのactivation recovery interval dispersionの検討

QT時間延長児の重症不整脈の危険度を明らかにするために, その再分極の不均一性の指標としてactivation recovery interval(ARI)のdispersionを失神の既往のあるJervell and Lange-Nieisen症候群例と失神のない低カルシウム血症によるQT延長児で調べ, 同年代の正常例と比較した. ARIは, 体表面87点から記録した心電図波形の一次微分のQRS区間での最小点とSTT区間でのdV/dtの最大点間の時間とし, 全体での最長値と最短値の差をARIのdispersionとした. ARI値の分布パターンは正常例とQT延長例のいずれもほぼ同様のパターン...

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Veröffentlicht in:心電図 1997, Vol.17 (6), p.679-686
Hauptverfasser: 泉田直己, 浅野優, 保崎純郎, 川野誠子, 沢登徹, 平岡昌和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:QT時間延長児の重症不整脈の危険度を明らかにするために, その再分極の不均一性の指標としてactivation recovery interval(ARI)のdispersionを失神の既往のあるJervell and Lange-Nieisen症候群例と失神のない低カルシウム血症によるQT延長児で調べ, 同年代の正常例と比較した. ARIは, 体表面87点から記録した心電図波形の一次微分のQRS区間での最小点とSTT区間でのdV/dtの最大点間の時間とし, 全体での最長値と最短値の差をARIのdispersionとした. ARI値の分布パターンは正常例とQT延長例のいずれもほぼ同様のパターンを示したがARI dispersionは失神発作のあるQT延長例で明らかに高値を示した. この結果は, 心室性不整脈による失神発作があるQT延長例での再分極の不均一性の増大と一致するものと考えられた. ARI dispersionは小児QT延長例における失神の危険度の判定因子として利用できる可能性が示された. (心電図17:No6, 679~686, 1997)
ISSN:0285-1660