慢性耳鳴治療における情動知能評価の有用性についての検討

要旨: 耳鳴の重症度は情動 (感情) と強く関連しているとされ, 情動 (感情) は耳鳴治療にも重要な因子である。我々は, 感情に対する対処や適応などの情動知能 (emotional intelligence) が治療効果と関係しているのではないかと考え, 情動知能指数 (Emotional Intelligence Quotient Scale: EQS) という質問紙を用いて耳鳴患者の情動知能の評価を行った。EQS では自己対応, 対人対応, 状況対応という3つの領域が定義され, 得点が高いほど情動知能の能力が高いことを示す。当科での耳鳴治療の有効群と無効群について治療経過に伴う EQS...

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Veröffentlicht in:AUDIOLOGY JAPAN 2024/08/30, Vol.67(4), pp.253-259
Hauptverfasser: 小杉, 祐季, 三輪, 徹, 加藤, 匠子, 坂下, 哲史, 高野, さくらこ, 春田, 友佳, 橋本, 孝佑, 阪本, 浩一, 角南, 貴司子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨: 耳鳴の重症度は情動 (感情) と強く関連しているとされ, 情動 (感情) は耳鳴治療にも重要な因子である。我々は, 感情に対する対処や適応などの情動知能 (emotional intelligence) が治療効果と関係しているのではないかと考え, 情動知能指数 (Emotional Intelligence Quotient Scale: EQS) という質問紙を用いて耳鳴患者の情動知能の評価を行った。EQS では自己対応, 対人対応, 状況対応という3つの領域が定義され, 得点が高いほど情動知能の能力が高いことを示す。当科での耳鳴治療の有効群と無効群について治療経過に伴う EQS の得点の経時的変化をみると, 有効群では自己対応, 対人対応, 状況対応の得点の平均値は12カ月後には有意な上昇が認められ, 無効群では EQS の3つの領域の得点ともに有意な変化は認められなかった。情動知能を評価するために EQS を活用し, 情動知能を高めるために指導を行うことが, 今後の耳鳴治療を行う上で重要であることが示唆された。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.67.253