一側性感音難聴に対する補聴器装用効果の検討

要旨: 一側性感音難聴による生活での不自由や, 耳鳴による苦痛や生活障害を自覚し, それらの改善目的に補聴器装用を希望する196名の患者に対して補聴器の装用を試み, 平均聴力レベルを中心に装用効果を検討した。一側性難聴の原因は突発性難聴が大半を占め, 先天性難聴はいなかった。3カ月間補聴器の調整を頻回に行い, 92%が購入した。中等度難聴の症例では, 補聴器装用により言葉の聞き取りはある程度期待でき, 耳鳴改善の効果があると予測できる。一方, 高度難聴では補聴器を装用しても言葉の聞き取りは期待できないと考えられるが, 耳鳴の改善や, 非良聴耳からの音の気づきや音の方向感の改善などの意義もあると...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:AUDIOLOGY JAPAN 2024/06/30, Vol.67(3), pp.198-204
Hauptverfasser: 吉田, 有梨枝, 鈴木, 大介, 佐藤, 陽一郎, 笠原, 健, 辺土名, 貢, 布施, 慈光, 目代, 佑太朗, 藤田, 航, 嶋津, 有莉, 横山, 珠花, 大石, 直樹, 小澤, 宏之, 高野, 賢一, 新田, 清一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:要旨: 一側性感音難聴による生活での不自由や, 耳鳴による苦痛や生活障害を自覚し, それらの改善目的に補聴器装用を希望する196名の患者に対して補聴器の装用を試み, 平均聴力レベルを中心に装用効果を検討した。一側性難聴の原因は突発性難聴が大半を占め, 先天性難聴はいなかった。3カ月間補聴器の調整を頻回に行い, 92%が購入した。中等度難聴の症例では, 補聴器装用により言葉の聞き取りはある程度期待でき, 耳鳴改善の効果があると予測できる。一方, 高度難聴では補聴器を装用しても言葉の聞き取りは期待できないと考えられるが, 耳鳴の改善や, 非良聴耳からの音の気づきや音の方向感の改善などの意義もあると考えられる。これらの装用意義は実際に補聴器を試さないと感じることができないため, 一側性感音難聴において不自由を生じ, 改善を希望する患者に対しては, 上記の効果予測を含めた情報を提供し, 聴力レベルにかかわらず装用の機会を提供すべきである。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.67.198