療育開始が1歳以降であった難聴児症例の検討: 当センターで療育開始が1歳以降であった症例

要旨 : 新生児聴覚スクリーニング検査 (NHS) の普及により, 難聴児の療育開始が早期化し, 0歳台からの療育が可能になった。一方で, 難聴発見が幼児期後期になる症例も存在する。療育開始までの現状と課題を明らかにする目的で, 2014~2021年度8年間の当施設在籍児を対象に療育開始までの経過を調査し, 療育開始が1歳以降であった症例について検討した。乳幼児健康診査でことばの遅れがみられた際に, NHS リファー群, 未受検群に比しパス群で聴力検査の実施が遅れる傾向がみられた。ことばの遅れが明らかでない軽中等度難聴例では, 保護者が耳鼻咽喉科で聞こえについて相談しても聴力検査が実施されてい...

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Veröffentlicht in:AUDIOLOGY JAPAN 2024/04/28, Vol.67(2), pp.168-175
Hauptverfasser: 千葉, 真実, 島村, 広美, 和泉, 千寿世, 持松, いづみ, 荒井, 康裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 : 新生児聴覚スクリーニング検査 (NHS) の普及により, 難聴児の療育開始が早期化し, 0歳台からの療育が可能になった。一方で, 難聴発見が幼児期後期になる症例も存在する。療育開始までの現状と課題を明らかにする目的で, 2014~2021年度8年間の当施設在籍児を対象に療育開始までの経過を調査し, 療育開始が1歳以降であった症例について検討した。乳幼児健康診査でことばの遅れがみられた際に, NHS リファー群, 未受検群に比しパス群で聴力検査の実施が遅れる傾向がみられた。ことばの遅れが明らかでない軽中等度難聴例では, 保護者が耳鼻咽喉科で聞こえについて相談しても聴力検査が実施されていない症例がみられた。難聴を疑うエピソードがある場合には, 早期に聴力検査を実施し, 難聴の有無を確認することが重要である。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.67.168