先天性重度聴覚障害人工内耳装用例の単音節聴取能の検討

要旨: 人工内耳を装用する先天性重度聴覚障害児165例を対象に, 小学校就学期に聴覚単独条件と読話併用条件を用いて単音節聴取能を評価した。単音節正答率, 音節別正答率および, 関与する要因について検討し, 以下の結果を得た。 1) 小児 CI 装用例の単音節聴取能は, 聴覚単独条件で平均60.7%を示し, 読話併用条件で平均5.1ポイント向上した。 2) 母音部正答率は聴覚単独条件で平均87.1%であり, 全体正答率との相関を認めた。また, 母音部正答率が90%以上と高いものの全体正答率が60%未満と低い例を認めた。 3) 構音様式別には, 無声音は有声音に比し正答率が高く, 摩擦音が良好であ...

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Veröffentlicht in:AUDIOLOGY JAPAN 2021/12/28, Vol.64(6), pp.555-564
Hauptverfasser: 赤松, 裕介, 廣田, 栄子, 尾形, エリカ, 樫尾, 明憲, 坂田, 阿希, 山岨, 達也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨: 人工内耳を装用する先天性重度聴覚障害児165例を対象に, 小学校就学期に聴覚単独条件と読話併用条件を用いて単音節聴取能を評価した。単音節正答率, 音節別正答率および, 関与する要因について検討し, 以下の結果を得た。 1) 小児 CI 装用例の単音節聴取能は, 聴覚単独条件で平均60.7%を示し, 読話併用条件で平均5.1ポイント向上した。 2) 母音部正答率は聴覚単独条件で平均87.1%であり, 全体正答率との相関を認めた。また, 母音部正答率が90%以上と高いものの全体正答率が60%未満と低い例を認めた。 3) 構音様式別には, 無声音は有声音に比し正答率が高く, 摩擦音が良好であった。半母音は単独母音や他音節に比し正答率が高く, 同一音素内の個別の音節間に差を認めた。 4) 全体平均値より-1SD 未満の低値群 (26例) では, 内耳奇形や蝸牛神経低形成, 発達の障害, 4歳以降の CI 装用, これらの重複例が89%を占めた。 5) 上記要因を除いた標準例における単音節聴取能は, 聴覚単独条件で75.7%に達した。重回帰分析では単音節聴取能は, 人工内耳装用年齢と動作性知能の要因の関与が認められた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.64.555