高齢者の両耳融合現象に関する研究: 両耳交互聴と関連する要因の検討
要旨: 本研究は, 高齢者を対象に, 両耳融合能の一つである両耳交互聴検査を行い, 両耳融合能に対する加齢や難聴の影響を明らかにした。さらに, 両耳交互聴検査の結果と年齢, 聴力, 最高語音明瞭度との関係について検討した。対象は, 60歳以上の31名の高齢者で, 左右聴力差 15dB 以内, 最高語音明瞭度左右差15%以内の者とした。課題は, 150ms ごとに分割した文を両耳に交互に提示する両耳交互聴検査と, 何も加工しない文を良聴耳側のみに提示する片耳での文聴取検査を実施した。この結果, 高齢者では両耳交互聴検査で有意に低下した。両耳交互聴検査の成績低下は, 最高語音明瞭度, 聴力, 年齢...
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Veröffentlicht in: | AUDIOLOGY JAPAN 2019/08/30, Vol.62(4), pp.276-281 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨: 本研究は, 高齢者を対象に, 両耳融合能の一つである両耳交互聴検査を行い, 両耳融合能に対する加齢や難聴の影響を明らかにした。さらに, 両耳交互聴検査の結果と年齢, 聴力, 最高語音明瞭度との関係について検討した。対象は, 60歳以上の31名の高齢者で, 左右聴力差 15dB 以内, 最高語音明瞭度左右差15%以内の者とした。課題は, 150ms ごとに分割した文を両耳に交互に提示する両耳交互聴検査と, 何も加工しない文を良聴耳側のみに提示する片耳での文聴取検査を実施した。この結果, 高齢者では両耳交互聴検査で有意に低下した。両耳交互聴検査の成績低下は, 最高語音明瞭度, 聴力, 年齢 (-.10) の順に関与し, 最高語音明瞭度との関係が最も強かった。加齢により, 両耳からの情報が十分に統合されにくいことが示唆されたが, その要因については今後更に検討を重ねる必要性があると考えられた。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.62.276 |