一側性詐聴の聴覚閾値推定におけるStenger法の精度 —正常被験者によるシミュレーション

一側高度難聴を装った健聴者11名を対象に, Stenger法を, 検査音の良聴耳提示音圧の2条件 (10, 5dBSL) と詐聴耳に耳せん装着の有無の2条件で施行し, 250Hz, 1kHz, 4kHzの聴覚閾値推定の精度について検討した。その結果, 被験者全員が全ての検査条件でStenger陽性で, 詐聴の同定率は100%であった。聴覚閾値の推定値は真の閾値と平均でほぼ一致した。各周波数の聴覚閾値の推定誤差は2SDで15dB以内であり, 良聴耳提示音圧や詐聴耳の耳栓の有無の各条件間で有意差を認めなかった。Stenger法はABRやASSRなどの他覚的検査と比較し, 一側性詐聴に限って言えば,...

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Veröffentlicht in:AUDIOLOGY JAPAN 2012, Vol.55(4), pp.230-235
Hauptverfasser: 宇杉, 竜一, 石坂, 郁代, 松平, 登志正
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:一側高度難聴を装った健聴者11名を対象に, Stenger法を, 検査音の良聴耳提示音圧の2条件 (10, 5dBSL) と詐聴耳に耳せん装着の有無の2条件で施行し, 250Hz, 1kHz, 4kHzの聴覚閾値推定の精度について検討した。その結果, 被験者全員が全ての検査条件でStenger陽性で, 詐聴の同定率は100%であった。聴覚閾値の推定値は真の閾値と平均でほぼ一致した。各周波数の聴覚閾値の推定誤差は2SDで15dB以内であり, 良聴耳提示音圧や詐聴耳の耳栓の有無の各条件間で有意差を認めなかった。Stenger法はABRやASSRなどの他覚的検査と比較し, 一側性詐聴に限って言えば, 検査法が簡単で推定誤差も少なく, 有効な検査法であると考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.55.230