補聴器によるTRT (Tinnitus Retraining Therapy) におけるプログラムを設定した1症例
中~高度難聴症例におけるTRT (Tinnitus Retraininng Therapy) ではTCI治療器 (Tinnitus Control Instrument) を用いず, 補聴器を含めTCI以外の音響療法が適していると考えられている。補聴器によるTRTの原理は外界音の入力によって耳鳴に対する順応をおこすことである。雑音抑制や, 指向性機能のプログラムを外界音の入力によって切り替えて補聴器によるTRTを施行した1症例について検討したので報告する。症例は62歳女性, 右突発性難聴後の右耳鳴を主訴として受診した。患側に補聴器を装用とし, 補聴器の利得設定は背景音外界の音が入る程度の軽度の...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | AUDIOLOGY JAPAN 2012, Vol.55(4), pp.218-222 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 中~高度難聴症例におけるTRT (Tinnitus Retraininng Therapy) ではTCI治療器 (Tinnitus Control Instrument) を用いず, 補聴器を含めTCI以外の音響療法が適していると考えられている。補聴器によるTRTの原理は外界音の入力によって耳鳴に対する順応をおこすことである。雑音抑制や, 指向性機能のプログラムを外界音の入力によって切り替えて補聴器によるTRTを施行した1症例について検討したので報告する。症例は62歳女性, 右突発性難聴後の右耳鳴を主訴として受診した。患側に補聴器を装用とし, 補聴器の利得設定は背景音外界の音が入る程度の軽度の増幅とした。今回, 耳鳴や会話を必要とする状況に応じてプログラムを切り替えて装用するよう設定し, 各プログラムの装用時間を記録した。中等度~高度難聴症例では, 耳鳴が強い装用初期は雑音が入り易い雑音抑制をOFF, 指向性機能をOFFとしたプログラムOFFを選択し, 耳鳴に慣れてくると会話聴取の際に聴き取りやすい雑音抑制をON, 指向性機能をONとしたプログラムONを選択する傾向があると考察された。 |
---|---|
ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.55.218 |