地域開業医における高齢者補聴の実態: 高齢者に望まれる補聴とそのための一工夫
60歳以上の補聴器装用者78名の調査を行った。良聴耳の聴力は60dB未満が大半で語音弁別能も8割が比較的良好であった。高齢者の難聴は疾患・障害というより生理的聴覚補償と考えるべきである。高齢者の意識にも疾患としての意識はなく, 補聴への動機付けと定着には持続してコミュニケーションする相手・場が不可欠であると考えられた。補聴器装用への抵抗感の背景には老いの宣告としての受容しがたい感覚と補聴器への暗いイメージが感じられた。超高齢者社会である本邦においてコミュニケーションが十分できる活動的でかつ精神的に安定した高齢者が必要とされるため, 補聴が必須となる。補聴器のイメージ転換を図るべく取替え可能な装...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | AUDIOLOGY JAPAN 2008/04/28, Vol.51(2), pp.142-148 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 60歳以上の補聴器装用者78名の調査を行った。良聴耳の聴力は60dB未満が大半で語音弁別能も8割が比較的良好であった。高齢者の難聴は疾患・障害というより生理的聴覚補償と考えるべきである。高齢者の意識にも疾患としての意識はなく, 補聴への動機付けと定着には持続してコミュニケーションする相手・場が不可欠であると考えられた。補聴器装用への抵抗感の背景には老いの宣告としての受容しがたい感覚と補聴器への暗いイメージが感じられた。超高齢者社会である本邦においてコミュニケーションが十分できる活動的でかつ精神的に安定した高齢者が必要とされるため, 補聴が必須となる。補聴器のイメージ転換を図るべく取替え可能な装身具付きの補聴器を発案した。高齢を迎える前の成人に難聴が精神的健康を害するということの啓発活動と補聴器が高齢者の積極的ライフスタイルのステイタスシンボルとして位置付けられるべく, 普及すべきと考える。 |
---|---|
ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.51.142 |