蝸牛神経複合活動電位ならびに蝸牛内直流電位に及ぼすグルタミン酸アゴニストの影響

グルタミン酸による内耳毒性研究の一環として, スナネズミの鼓室階に正円窓膜経由でグルタミン酸アゴニストであるa-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazole propionic acid (AMPA) を投与し, 聴力低下を来すか確認するため蝸牛神経複合活動電位 (CAP) を測定した。 また聴力に影響を与える濃度のAMPAを投与したときの蝸牛内直流電位 (EP) を測定することによりグルタミン酸の血管条への影響を検討した。 その結果, AMPA投与60分後のCAP域値は, 100μM投与群では17.5dB, 200μM投与群では22.5dB上昇した。 しかし人工外...

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Veröffentlicht in:AUDIOLOGY JAPAN 2003/08/28, Vol.46(4), pp.262-267
Hauptverfasser: 盛実, 勲, 白馬, 伸洋, 谷口, 昌史, 前谷, 俊樹, 清水, 義貴, 暁, 清文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:グルタミン酸による内耳毒性研究の一環として, スナネズミの鼓室階に正円窓膜経由でグルタミン酸アゴニストであるa-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazole propionic acid (AMPA) を投与し, 聴力低下を来すか確認するため蝸牛神経複合活動電位 (CAP) を測定した。 また聴力に影響を与える濃度のAMPAを投与したときの蝸牛内直流電位 (EP) を測定することによりグルタミン酸の血管条への影響を検討した。 その結果, AMPA投与60分後のCAP域値は, 100μM投与群では17.5dB, 200μM投与群では22.5dB上昇した。 しかし人工外リンパ液投与群やショ糖200μM投与群ではCAP域値に変化はなかった。 一方, EPは人工外リンパ投与群やAMPA100μM投与群では変化はないが, AMPA200μM投与群では19.0mV低下し, ショ糖200μM投与群でも19.5mV低下した。 AMPA200μM投与群でみられたEP低下はショ糖でも同程度みられたことから非特異的な変化であり, 主に浸透圧の影響と考えられた。 以上のことからグルタミン酸の血管条への影響は軽微であると結論した。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.46.262