乳幼児聴力検査の適応年齢

乳幼児聴力検査においては, 被検児の発達レベルに合せて適応可能な検査を迅速に選択できるかどうかが検査の成否に大きく影響する。1985年4月から1995年3月までの10年間に岡山かなりや学園を受診した817名を対象に, 発達遅滞がない群とある群に分け, 施行した検査法を比較検討し, 次の結果を得た。1) 発達遅滞群の最適応年齢は聴性行動反応聴力検査 (BOA) で0歳-1歳11カ月, 条件詮索反応聴力検査 (COR) で1歳-2歳5カ月, スピーカ法によるpeep show test (PSS) で2歳-3歳5カ月, レシーバ法によるpeep show test (PSR) で3歳-4歳5カ月,...

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Veröffentlicht in:AUDIOLOGY JAPAN 1998/08/31, Vol.41(4), pp.323-333
Hauptverfasser: 福田, 章一郎, 問田, 直美, 福島, 邦博, 中島, 智子, 増田, 游, 瓦井, 博子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳幼児聴力検査においては, 被検児の発達レベルに合せて適応可能な検査を迅速に選択できるかどうかが検査の成否に大きく影響する。1985年4月から1995年3月までの10年間に岡山かなりや学園を受診した817名を対象に, 発達遅滞がない群とある群に分け, 施行した検査法を比較検討し, 次の結果を得た。1) 発達遅滞群の最適応年齢は聴性行動反応聴力検査 (BOA) で0歳-1歳11カ月, 条件詮索反応聴力検査 (COR) で1歳-2歳5カ月, スピーカ法によるpeep show test (PSS) で2歳-3歳5カ月, レシーバ法によるpeep show test (PSR) で3歳-4歳5カ月, play audiometry (PA) で3歳6カ月-5歳5カ月であった。発達遅滞あり群では適応開始時期が遅れ, 適応期間は長かった。2) 使用した検査の頻度は両群とも聴性脳幹反応 (ABR), BOA, PSS, COR, PSR, PA, standard audiometry (SA) の順であった。レシーバ法を使用した検査は発達遅滞群の方が多く, 発達遅滞があると幼児期ではPSRのみ可能であった。3) 検査の組合せでは, 両群ともABRと音場検査の組合せが多く, 単一検査の割合は遅滞の群の方が高かった。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.41.323