急性感音性難聴にて発症した小脳背側髄膜腫

小脳背側に発生した巨大な髄膜腫によって急性感音性難聴で発症した症例を経験した。症例は29歳, 女性で突発性の難聴で発症するまでは無症状であった。初診時高音急墜型感音性難聴を認めたが, 他の神経症状なく, 突発性難聴と診断しステロイド療法を開始した。2週後に聴力はやや改善したが自記オージオグラムJerger III型, 語音聴力の低下, ABRでのII波以降の消失を示した。そのため小脳橋角部腫瘍を疑いMRI施行したところ, 小脳背側に巨大な腫瘤陰影を認めた。脳神経外科にて腫瘍摘出術を施行し, 術後純音聴力, 語音聴力, ABRのいずれも正常に回復した。本症例での難聴の原因は蝸牛神経の圧迫により伝...

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Veröffentlicht in:AUDIOLOGY JAPAN 1998/04/30, Vol.41(2), pp.147-151
Hauptverfasser: 吉田, 晋也, 野村, 泰之, 池田, 稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:小脳背側に発生した巨大な髄膜腫によって急性感音性難聴で発症した症例を経験した。症例は29歳, 女性で突発性の難聴で発症するまでは無症状であった。初診時高音急墜型感音性難聴を認めたが, 他の神経症状なく, 突発性難聴と診断しステロイド療法を開始した。2週後に聴力はやや改善したが自記オージオグラムJerger III型, 語音聴力の低下, ABRでのII波以降の消失を示した。そのため小脳橋角部腫瘍を疑いMRI施行したところ, 小脳背側に巨大な腫瘤陰影を認めた。脳神経外科にて腫瘍摘出術を施行し, 術後純音聴力, 語音聴力, ABRのいずれも正常に回復した。本症例での難聴の原因は蝸牛神経の圧迫により伝導障害を生じたものと考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.41.147