回腸原発悪性リンパ腫が誘因となった高齢者腸重積症の1例

「要旨」今回, 回腸末端部の原発性悪性リンパ腫 : びまん性大細胞型Bリンパ腫 (DLBCL) による回腸結腸型腸重積症の1例を経験した. 症例は97歳男性で主訴は腹部疝痛発作及び嘔吐であった. 腹部超音波, 腹部CTにて腸重積症の所見を認め, 大腸内視鏡検査により回腸末端部から腫瘍の盲腸内への脱出を認めた. 切除標本では腫瘍はバウヒン弁より約13cm口側の回腸末端に存在し大きさは約26×21mmの結節性病変で組織学的に異型細胞のびまん性増生から構成され, 免疫染色でCD20 (+), CD79a (+), CD10 (+), BCL2 (+), BCL6 (+), MUM-1 (+), CD...

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Veröffentlicht in:島根医学 2023-04, Vol.43 (1), p.83-87
Hauptverfasser: 長見晴彦, 田原英樹, 児玉渉, 瀬下達之, 大谷裕, 田原成泰, 結城美佳, 駒澤慶憲, 新垣昌利, 丸山理留敬
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」今回, 回腸末端部の原発性悪性リンパ腫 : びまん性大細胞型Bリンパ腫 (DLBCL) による回腸結腸型腸重積症の1例を経験した. 症例は97歳男性で主訴は腹部疝痛発作及び嘔吐であった. 腹部超音波, 腹部CTにて腸重積症の所見を認め, 大腸内視鏡検査により回腸末端部から腫瘍の盲腸内への脱出を認めた. 切除標本では腫瘍はバウヒン弁より約13cm口側の回腸末端に存在し大きさは約26×21mmの結節性病変で組織学的に異型細胞のびまん性増生から構成され, 免疫染色でCD20 (+), CD79a (+), CD10 (+), BCL2 (+), BCL6 (+), MUM-1 (+), CD3 (-) でありDLBCLと診断した. なお本症例に対して腹腔鏡下回盲部切除・リンパ節郭清を行い術後10日目に軽快退院した. 成人腸重積症は比較的稀な疾患であり, なかでも小腸悪性リンパ腫による超高齢者の腸重積症は極めて稀であるが, 腹腔鏡下腫瘍切除を行い良好な結果を得たので報告する.
ISSN:0559-829X