術後急速な病状悪化を辿ったG-CSF産生胃癌の1例

「要旨」症例は69歳の男性. 黒色便と労作時の呼吸困難を主訴に近医を受診し, 上部消化管内視鏡検査で胃体中部大彎に3型腫瘍を認め, 精査加療目的に当院を受診した. 術前補助化学療法中に, 脳梗塞を発症し, 抗凝固療法を要したが, 腫瘍出血による貧血コントロール不良であり, 手術療法を施行した. 術中所見で横行結腸に一部浸潤があったため, 胃全摘術, 脾臓摘出術, 横行結腸部分切除術を施行した(ypT4bN1M0 Stage IIIB). G-CSF染色陽性を伴う低分化型腺癌であり, G-CSF産生胃癌と診断した. 術後, 造影CTで肝転移を認め, その後急速な病状悪化により, 術後60日目に永...

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Veröffentlicht in:島根医学 2022-08, Vol.42 (2), p.108-112
Hauptverfasser: 川上晃樹, 谷浦隆仁, 梶俊介, 杉本真一, 佐藤仁俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」症例は69歳の男性. 黒色便と労作時の呼吸困難を主訴に近医を受診し, 上部消化管内視鏡検査で胃体中部大彎に3型腫瘍を認め, 精査加療目的に当院を受診した. 術前補助化学療法中に, 脳梗塞を発症し, 抗凝固療法を要したが, 腫瘍出血による貧血コントロール不良であり, 手術療法を施行した. 術中所見で横行結腸に一部浸潤があったため, 胃全摘術, 脾臓摘出術, 横行結腸部分切除術を施行した(ypT4bN1M0 Stage IIIB). G-CSF染色陽性を伴う低分化型腺癌であり, G-CSF産生胃癌と診断した. 術後, 造影CTで肝転移を認め, その後急速な病状悪化により, 術後60日目に永眠した. 術後急速な病状悪化を辿ったG-CSF産生胃癌の1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0559-829X