多発性小腸gastrointestinal stromal tumorの1症例

「要旨」症例は70歳女性. 繰り返す腹痛と下痢を主訴に近医受診された. 腹部CT検査で小腸腫瘍が疑われたために紹介となり, 消化管精査で小腸に2か所の粘膜下腫瘍を認めた. 確定診断と治療を目的に腹腔鏡手術を行った. 術中に先の病変以外に2か所の小腸腫瘍(合計4個)を認めたために切除したところ, 組織学的にすべての腫瘍がGIST(gastrointestinal stromal tumor; 以下GISTと略記)と診断された. 切除したGISTの最大径は30mm, 核分裂像数 < 5/50HPFsであり, 低リスクGIST(Modified Fletcher分類)であった. 現在術後2年が...

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Veröffentlicht in:島根医学 2022-08, Vol.42 (2), p.101-107
Hauptverfasser: 中山瑶子, 杉山章, 松原毅, 田島義証
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」症例は70歳女性. 繰り返す腹痛と下痢を主訴に近医受診された. 腹部CT検査で小腸腫瘍が疑われたために紹介となり, 消化管精査で小腸に2か所の粘膜下腫瘍を認めた. 確定診断と治療を目的に腹腔鏡手術を行った. 術中に先の病変以外に2か所の小腸腫瘍(合計4個)を認めたために切除したところ, 組織学的にすべての腫瘍がGIST(gastrointestinal stromal tumor; 以下GISTと略記)と診断された. 切除したGISTの最大径は30mm, 核分裂像数 < 5/50HPFsであり, 低リスクGIST(Modified Fletcher分類)であった. 現在術後2年が経過しているが, 再発は認めていない. 遺伝的疾患に合併するGISTを除く多発性のGISTは比較的まれであるが, 多発する可能性を念頭においた入念な検索が必要である. また, 低リスクGISTであっても術後長期経過中に再発を認めた報告もあり, 今後も厳重なfollow upが必要と考える.
ISSN:0559-829X